手取り15万円なので食費は「1日600円」が限界…健康的な食事は夢のまた夢でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月4日 2時20分
「栄養バランスのとれた健康的な食事を毎日したい」と思っていても、経済的な事情により食費にかけられる金額が限られている人もいるかもしれません。例えば「手取り15万円なので1日分の食費に600円しかかけられない」という場合だと、健康的な食事をとることは難しいのか気になる人もいるでしょう。 本記事では、単身世帯で手取り15万円の食費の平均や、食事に関してどのような志向を持つ人が多いのかも詳しくご紹介します。
手取り15万円の食費の平均は?
まず、手取り15万円だと食費の平均はいくらぐらいなのかを確認してみましょう。手取りを総支給額の8割程度と考えた場合、手取り15万円の総支給額は約19万円となり、年収に換算すると約230万円です。
総務省統計局の「家計調査 家計収支編(2023年)」によると、単身世帯で年収200~300万円の人の1ヶ月の食費の平均は4万855円です。これを1ヶ月30日として1日に換算すると約1362円なので、今回の事例の「1日600円」は平均の半分以下になります。
食事に関して重視したいことは「健康」? 「安さ」?
「食費はできるだけおさえたいが、健康的な食事を心がけたい」と思う人もいるでしょう。しかし、実際にはその両方を実現することは難しいと考える人が多いのかもしれません。
株式会社日本政策金融公庫が令和6年に実施した「消費者動向調査」によると、「食に関する志向」として「健康に配慮したい」と答えた人の割合が45.7%と最も多く、「食費を節約したい」と答えた人の割合が40.8%となっています。
健康志向については前年の調査時より上昇している世代が多く、特に20代と40代では大幅に増えていることが分かります。一方で、経済性志向も40%を超えていますが、前回調査時よりも少し割合が低下しているようです。
安い食費でも健康的な食事は実現できる?
農林水産省が作成した「ちょうどよいバランスの食生活」によると、栄養バランスを整えるためには、主食・主菜・副菜がそろった食事を1日2食以上食べることが推奨されています。
しかし、用意する料理の種類を増やすことは難しい場合もあるため、例えばロコモコ丼のように主食と主菜・副菜を1つの器に盛り合わせたり、具だくさんミートソーススパゲティ+サラダのようにいろいろな食材を使った料理にしたりする方法がおすすめです。
例えば、ミートソーススパゲティ一人前を作るのにかかる費用を計算してみましょう。必要な材料を以下の通りとします。
・スパゲティ(600グラム税込み290円):80グラム約39円
・合いびき肉(100グラム税込み182円):75グラム約137円
・玉ねぎ(2個税込み258円):1/4個約32円
・にんじん(4本税込み193円):1/4本約12円
・にんにく(1個税込み268円):1/2かけ約22円
・カットトマト缶(1缶税込み301円):1/2缶約151円
上記の材料費を合計すると約393円です。これに調味料とサラダをプラスすると考えると、1食分でほぼ600円近くかかってしまう可能性があります。1日600円で3食を用意するのは難しいかもしれません。
そのようなときは、手ごろな値段で売られていることが多い旬の野菜を選んだり、冷凍野菜を活用したりするとよいでしょう。また、安い野菜をまとめ買いしすぎて余らせてしまった場合は「食材名+レシピ」で検索するとたくさんのレシピが出てくるので、参考にしてください。
食費をおさえても工夫次第では健康的な食事を作れる可能性はある
単身世帯で年収200~300万円の人の1ヶ月の食費の平均は4万855円で、1日に換算すると1360円程度になります。今回の事例では「食費は1日に600円が限界」ということなので、平均の半分以下でやりくりしているようです。
食事に関して「健康」と「安さ」の両方を重視するために、1日600円の食費では実現することは簡単ではないかもしれません。
しかし、値段が低めの旬野菜を使ったり、冷凍野菜を活用したりすれば食費をおさえながら栄養バランスのよい食事を用意できる可能性もあるため、工夫してみるとよいでしょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 2023年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号5 年間収入階級別
株式会社日本政策金融公庫 食に関する志向「健康志向」と「簡便化志向」が上昇 ~「経済性志向」も2半期連続40%超えの高水準を維持~ <消費者動向調査(令和6年1月調査)> I.食に関する志向(現在の食の志向)(3ページ)、 I.食に関する志向(3大志向、年代別)(5ページ)
農林水産省 ちょうどよいバランスの食生活(4ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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