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生活が苦しいので大学進学の奨学金は「給付型」を受けたいです。成績は結構良い方なので給付型を受けられるでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月6日 0時0分

生活が苦しいので大学進学の奨学金は「給付型」を受けたいです。成績は結構良い方なので給付型を受けられるでしょうか?

将来の就職や生活のことを考えると、大学への進学を検討している人は多くいるのではないでしょうか。しかしながら、まとまった学費が必要となるため、進学をためらってしまう人もいます。   そのような状況下で心強い味方となるのが、奨学金です。奨学金にはどのような種類のものがあるのか、また、奨学金を受けるための条件とはどのようなものなのか、考えてみます。

奨学金の種類を知っておく

ここでは、日本で、就学支援を行う独立行政法人として知られている、日本学生支援機構が運営している奨学金を例に説明します。
 
奨学金の種類は、大まかに2つの種類があり、返済不要のものと、返済が必要なものがあります。さらに、国内の大学・専門学校等への進学のための奨学金だけでなく、海外留学のための奨学金があり、こちらも返済不要のものと、返済が必要なものに分かれています。
 
それぞれの内容は、以下のとおりです。
 
●給付奨学金(返済不要)
経済的理由で大学・専門学校への進学をあきらめないよう、2020年4月からスタートした新制度です。授業料や入学金の免除や減額については、各大学等に確認する必要があります。
 
●貸与奨学金(返済必要)
国内の大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)および大学院で学ぶ人が対象の奨学金です。利子の付かない第一種奨学金と、利子の付く第二種奨学金があります。また、これらと合わせて入学時の一時金として貸与する入学時特別増額貸与奨学金(利子付)もあります。
 
●海外留学のための給付奨学金(返済不要)
海外留学支援制度(協定派遣)、海外留学支援制度(学部学位取得型)、海外留学支援制度(大学院学位取得型)、トビタテ!留学JAPANの4つの種類があります。
 
●海外留学のための貸与奨学金(返済必要)
海外の大学・大学院に留学する人を対象に、経済的支援として奨学金の貸与を行っており、貸与奨学金には、留学の目的や留学期間によって、貸与奨学金に違いがあります。
 

「給付型」を希望する場合の成績はどの程度の成績が必要になる?

以前であれば奨学金の「給付型」の場合、成績が優秀でなければ受けられないものと認識されていましたが、2020年4月からスタートした「高等教育の修学支援制度」という新制度により、世帯収入の基準を満たしていれば、成績だけで判断することはなくなりました。しっかりとした「学ぶ意欲」があることで、支援を受けることができます。
 
しかし、しっかりと勉強をしなかった場合には、支援は打ち切られますので注意が必要です。「給付型」の奨学金には、高校生を対象にしたものと大学生を対象にしたものがあります。今回は、質問にあわせて大学生を対象にしたものについて詳しく説明していきます。
 
「給付型」の給付を受けるには、提出書類等の手続きに不備がなく、家計や学業その他の要件をすべて満たしていることが確認できた人全員が採用されるため、要件をクリアすることが大切であり、高等学校や大学などの人数制限や推薦枠等もありません。
 
給付奨学金は予約採用として行われるのですが、大学等に進学する前(進学の前年度)に、在籍する高校等を通じて申し込みができるようになっています。なお、奨学金の申込期限については学校ごとに異なっていますので、具体的なスケジュール等は在籍している学校に確認するようにしてください。
 

世帯収入によって給付額は違ってくる!?

住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生の場合、「(1)授業料・入学金の免除もしくは減額」+「(2)給付型奨学金の支給」を受けることが可能です。
 
年収の目安としては、住民税非課税世帯で年収が約270万円未満の場合は(1)(2)ともに満額支給されますが、年収が約270~300万円未満の場合は(1)(2)ともに3分の2、年収が約300~380万円未満の場合は(1)(2)ともに3分の1が支給されることになります。
 
なお、扶養する子どもが多子世帯で年収が約380~600万円未満の場合は(1)(2)ともに4分の1、私立理工農系の学科に在籍していて年収が約380~600万円未満の場合は文系との授業料の差額が給付されます。
 
給付型奨学金の支給額は、図表1のとおりです。
 
図表1

図表1

(文部科学省「高等教育の修学支援新制度」高校生向けリーフレットより抜粋)
 
授業料や入学金の免除や減額は、図表2のとおりです。
 
図表2
図表2

(文部科学省「高等教育の修学支援新制度」高校生向けリーフレットより抜粋)
 
支給額や免除額や減額される金額は、世帯年収や進学先によって変わってきます。また、対象である教育機関であるかも重要なポイントです。まずは奨学金の給付金が受けられる大学であるのか、自分の場合は対象要件を満たしているのか、その場合いくらの給付が受けられそうかなどの確認をすることから始めてみましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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