臨床検査技師ってどんな職業？薬剤師より収入がよいと聞きましたが、平均年収はどのくらいなの？

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月10日 2時10分

大学の薬学部で厚生労働大臣の指定する科目を修めると、臨床検査技師国家試験の受験資格を得られます。卒業後の進路に薬剤師を選ぶか、臨床検査技師を選ぶかで悩んでいる方もいるでしょう。どちらを選ぶにしても、国家試験に合格する必要があるため、できる限り早く決断したいところです。そこで今回は、臨床検査技師の業務内容や、薬剤師との年収差などについて解説します。

臨床検査技師とは

臨床検査技師は、医師または歯科医師の指示のもと、医療機関などで臨床検査を行う職業です。災害が発生した際は、医療支援や生活環境改善のサポートを被災地で行うこともあります。

臨床検査技師の主業務である「臨床検査」とは、病気の診断や治療などで実施される検査の総称です。体の状態を数値で可視化できるため、正しい診断や効果的な治療方法を決定するための重要な判断材料になります。

なお、臨床検査には「検体検査」と「生体検査」の2種類があります。検体検査と生体検査では、検査方法や検査対象などが異なります。

検体検査

検体検査は、血液や尿、便などの検体を採取して行う検査です。病原となる微生物がないかを調べたり、血液中の酵素や脂質などを分析したりして、健康状態を確かめます。近年では、遺伝子検査や不妊治療なども対象になるなど、業務範囲は拡大しています。

生体検査

生体検査は、人体に測定器を取り付けて行う検査です。具体的には、超音波検査、心電図検査、サーモグラフィーなどがあります。検体検査は患者の検体を分析するのに対し、生体検査では患者の体から情報を直接記録します。

臨床検査技師の働き方

臨床検査技師の勤務場所は、おもに臨床検査センター、病院、診療所などです。ただし、臨床検査センターに勤めるか、病院・診療所に勤めるかで、任される業務の範囲が異なります。

臨床検査センターに勤める場合、業務の大半は検査と分析です。一方、病院・診療所に勤める場合は、医師や看護師への検査結果の報告や、検査スケジュールの打ち合わせ、臨床検査センターへの注文なども担当業務となります。

検査や分析に集中したい方は臨床検査センターを、より多くの業務にも携わりたい方は病院・診療所を中心に検討するとよいでしょう。

臨床検査技師の平均年収

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、臨床検査技師の平均月収は35万1400円、平均年間賞与は86万8100円です。年収を「月収×12ヶ月＋年間賞与」とすれば、予測平均年収は508万4900円になります。

一方、同調査より薬剤師の予測平均年収を同様の方法で算出すると、577万8700円です。したがって、臨床検査技師の予測平均年収は、薬剤師に比べて69万3800円少ないと分かります。

ただし、上記の平均金額は、全国の臨床検査技師、薬剤師を対象としたものです。実際の収入は、居住地や勤め先の規模など、条件によって変動する可能性があります。

臨床検査技師は医師の指示のもと臨床検査を行う｜予測平均年収は約500万円で、薬剤師を下回る

臨床検査技師は、医師などの指示のもと、医療機関などで臨床検査を行う職業です。臨床検査には、血液など検体を分析する「検体検査」と、超音波検査のように患者の体から情報を直接収集する「生体検査」があります。

臨床検査技師の予測平均年収は508万4900円です。一方、薬剤師の予測平均年収は577万8700円であり、薬剤師の方が69万3800円高くなっています。

臨床検査技師と薬剤師で進路を悩んでいる方は、それぞれの働き方や労働環境を理解し、自分の適性などを考慮しながら、検討するとよいでしょう。