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日本で一番「大きなお札」は? 現代の「長財布」には収まらないって本当? 大きさ・紙幣の歴史を解説

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月8日 4時10分

日本で一番「大きなお札」は? 現代の「長財布」には収まらないって本当? 大きさ・紙幣の歴史を解説

2024年7月に20年ぶりに新紙幣が発行され、徐々に国民の手元にも届いてきています。新紙幣は旧紙幣とくらべて数字のフォントが大きくなったほか、偽造防止のための3Dホログラムの採用など大きくデザインが変化しましたが、紙幣の大きさは全く変更されていません。   では、かつて日本で発行された紙幣の中で、最も大きなサイズ・最も小さなサイズだったものは何でしょうか。日本銀行が発行してきた紙幣の歴史を調べていきましょう。

現在日本で流通している「紙幣」と「長財布」のサイズを調べてみた

筆者は初めて新紙幣を手にしたとき、「サイズが一回り大きくなったのでは?」と感じ、旧紙幣と重ねてみたことがあります。結果としては1万円札、5千円札、千円札ともすべてサイズに変更はされておらず、数字のフォントが大きくなったことで、錯覚していただけなのかもしれません。
 
日本銀行によれば、現在、日本で発行されている紙幣のサイズは以下の通りになっています。

1万円札……縦76mm×横160mm
5千円札……縦76mm×横156mm
2千円札……縦76mm×横154mm
千円札……縦76mm ×横150mm

紙幣の縦のサイズは76mmで統一されている一方、横のサイズは高額紙幣になるほど微妙に長くなっていることが特徴です。これは、縦のサイズを統一することでATMなどの機械に挿入しやすくなり、横のサイズに差をつけることで目の不自由な人が識別しやすいようにするためだとされています。
 
それでは、現在の日本で使用されることを想定された「長財布」のサイズはどれほどなのでしょうか。筆者が愛用している長財布のサイズを計測してみると、内のり(内側の長さ)の縦幅が約75mm、横幅が約175mmでした。
 
現在主に目にする紙幣の中で大きさが最大である「1万円札」のサイズは縦76mm、横160mmですので、財布の横幅にはかなり余裕をもたせている一方、縦幅はわずかに財布よりも紙幣のほうが長いようにデザインされています。
 
これは紙幣をつまんで取り出しやすくするため、財布に紙幣を収めたときに少しだけ紙幣の頭が見える程度の長さにしているのだと考えられます。
 

日本史上、最大・最小の「お札」は?

それでは、これまでに日本銀行が発行してきた紙幣のうち、「最大サイズ」と「最小サイズ」のものは、何だったのでしょうか。
 
日本銀行のサイトによると、史上最大サイズの紙幣は1891年(明治24年)に発行された「改造百円券」で、縦130mm・横210mmでした。現在発行されている1万円札より縦横ともに50mmほど大きく、現在使用されている長財布にはとても収まりきらないものです。
 
一方、史上最小サイズのお札は1948年(昭和23年)に発行された「A五銭券」です。縦48mm、横94mmと、現在使用されている紙幣と比べると3分の1程度の大きさでした。(図表1)
 
図表1
図表1
日本銀行のサイトより抜粋
 
紙幣の歴史は古く、10世紀ころには中国で使用され始め、日本では17世紀の江戸時代頃から使用されてきたとされます。新紙幣が発行されたことをきっかけにお金の歴史について調べ、東京都北区にある「お札と切手の博物館」や東京都中央区の「貨幣博物館」などを訪れてみることも楽しいかもしれません。年末年始の家族イベントとしていかがでしょうか。
 

まとめ

日本で発行された史上最大の紙幣は、1891年(明治24年)に発行された「改造百円券」で縦130mm・横210mmという大きさでした。これは現在発行されている1万円札(縦76mm、横160mm)と比べて非常に大きく、細かく折りたたまなければ現在使用されている長財布には収まりません。
 
東京都北区にある「お札と切手の博物館」や東京都中央区の「貨幣博物館」には、世界で発行されてきた紙幣や硬貨が常設展示されています。新紙幣の発行をきっかけに、お金の歴史について調べてみることも良いでしょう。
 

出典

国立印刷局 新しい日本銀行券特設サイト
日本銀行 お金の話あれこれ(2)
 
執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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