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「老後が不安だから、民間の介護保険に入る」その前に知っておきたいこと

ファイナンシャルフィールド / 2019年9月25日 9時10分

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話題になった将来予測の書籍ですが、『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社現代新書)では、こんな予測がされています。   ・2024年から「団塊の世代がすべて75歳以上となり、社会保障費が大きく膨らみ始める」 ・2026年から「高齢者の5人に1人が認知症患者(約730万人)となる」   令和という時代は、まさに超高齢化社会の本格的な幕開けですが、このような傾向を見越し、民間の介護保険への注目度が今まで以上に高まっています。  

民間の介護保険の概要

民間の介護保険に入る目的は、要介護状態になった場合の経済的な備えです。民間の介護保険は、公的介護保険の上乗せ保障という位置づけですが、一般的に、保障内容は次のようになっています。
 
〇民間の介護保険のイメージ

※筆者作成
 
保険会社によって異なりますが、一般的には、例えば、65歳前とそれ以降において、認知症や寝たきりによる所定の要介護状態になった場合に「介護一時金」や「介護年金」が支給されます。
 
介護一時金は1回限りの支給、介護年金は、年額×10年間など、あらかじめ決められた年数の間で、毎年支給されます。ほかに、一時金のみが支給されるタイプのものもあります。
 
〇一時金タイプの介護保険のイメージ

※筆者作成
 
このタイプの保険では、例えば、認知症や寝たきりによる所定の要介護状態になった場合に「介護一時金」として100万円などの金額が1回限りで支給されます。
 

民間の介護保険は必要?

民間の介護保険を検討する際は、先ほどの保障図のように、65歳前と後とで、要介護になるリスクをどのように捉えるかが重要になってきます。
 
例えば、65歳前で、現役で働いている時期においては、認知症や寝たきりになるリスクはそれほど高くはありません。しかし、万一、これらが原因で要介護状態になった場合、それ以降の生活を支えるという点では介護保険が必要といえるかもしれません。
 
ただ、民間の介護保険は、どちらかというと、65歳以降、認知症や寝たきりで介護が必要になった場合の暮らしを想定しています。しかし、このライフステージでは、通常、退職金なども含め、すでに相応の資産がある可能性が高く、ご家庭によっては、わざわざ民間の介護保険で備える必要性を感じないかもしれません。
 
かといって、今のような金利の低い状況では、若いうちから民間の介護保険で介護資金を貯めていくメリットは、以前と比べ薄まっているともいえます。
 
介護資金を準備する場合、例えば、金利の高い銀行に預け替える、若いうちから資産運用などを行い、将来に向けて備えるなど、ほかの方法も含め、総合的に検討する必要があるかもしれません。しかし、介護保険の保障機能に着目すると、やはり、万一の備えとしては有効ともいえます。
 

まとめ

これから深まる超高齢化社会。介護をめぐる環境は、私たちが想像している以上に速いペースで変化していくような気がします。
 
在宅介護を利用するか、施設介護を利用するかによっても、その費用は大きく異なってきます。ファイナンシャル・プラニングを施す際は、老後の生活費用とは別に介護費用をしっかりと想定したうえで、キャッシュフロー(お金の流れ)を組み立てていくことになります。
 
その前提になるのが「公的介護保険制度」です。民間の介護保険に加入する際は、老後の生活設計を描きながら、資産の流れを想定したうえで、公的介護保険制度も含め検討するようにしましょう。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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