「高値づかみしてしまった?」と諦めるのはまだ早い! 下落局面がもたらす新NISAならではの知られざる“効果”
Finasee / 2025年1月10日 18時0分
Finasee(フィナシー)
積立投資は「途中で下落」した方が最終的な積立効果は大きくなる
新NISA元年の2024年、「オールカントリー」などの海外株式型を中心に積み立てていた方々は総じて良好な成績を収めることができたのではないでしょうか。
他方、日本株は夏場の株式市場の調整以降、米国株ほどの反発力を見せることができませんでした。また、半導体関連銘柄やインド株式も、ファンドによっては秋口以降苦戦を強いられています。
これらの投資信託を年の途中に購入していた場合、「高値づかみ」状態になってしまったという方もいるでしょう。しかし、その場合でも焦って解約したり、成績の良い米国株を追加購入したりすることはおすすめしません。
新NISAは制度が恒久化され、非課税期間も無期限化されたということを今一度思い出してください。積立の場合は特に、一本調子で上昇を続けるよりも、途中で下落を経験した方が最終的な積立効果は大きくなります。下がった時ほど「お得に口数を増やすことができている」と、発想を転換させることが重要です。
値動きの方向性が異なる資産を保有するネット上の情報を見て、流行りの商品をあれこれ買ってみた結果、同じような値動きの商品ばかり保有していないか、今一度点検しましょう。S&P500、NASDAQ100、全米株式、さらにはオールカントリーも、いわゆる「グロース株」という点では同じカテゴリーの商品です。
分散効果に期待するなら、値動きの方向性が異なる資産を保有することが鉄則です。株式市場の調整局面で下値抵抗力を発揮する資産としては、金(ゴールド)や高配当・連続増配株が挙げられます。
反対に、S&P500やオールカントリーでは物足りなさを感じるという方は、投資対象を絞った商品を追加的に取り入れても良いでしょう。特定の業種やテーマを掲げた投資信託のほか、地域分散の観点でインドを含む新興国株式もおすすめです。ただし、これらの資産を取り入れる場合は、積立で時間分散も同時に実践した方が良いでしょう。
米国株なら連続増配株、日本株なら超過収益獲得のアクティブもあり前述の通り、分散効果に期待するなら「2024年にあまり上昇しなかった資産」に注目しましょう。米国株なら、高配当株より下値抵抗力の大きい連続増配株がおすすめです。配当貴族指数(25年以上連続して配当を増やし続けてきた企業で構成される指数)に連動するインデックスファンドは一部、つみたて投資枠の対象にもなっています。
また、日本株もバリュエーションの観点では投資妙味があります。日本株は、恒常的に超過収益を獲得しているアクティブファンドの数が相対的に多いので、インデックスよりもアクティブ型をおすすめします。
楽天証券経済研究所 副所長 兼 ファンドアナリスト
篠田 尚子氏
慶應義塾大学卒業後、国内銀行を経て2006年ロイター・ジャパン入社。傘下の投資信託評価機関リッパーにて、投信業界の分析レポート執筆、評価分析などの業務に従事。2013年、楽天証券経済研究所入所。日本には数少ないファンドアナリストとして、評価分析業務の他、資産形成セミナーの講師も務めるなど投資教育にも積極的に取り組む。近著に『一生楽しく浪費するためのお金の話 マンガ版』(共著、イースト・プレス)、『【2024年新制度対応版】NISA&iDeCo完全ガイド』、『FP&投資信託のプロが教える新NISA完全ガイド』(ともにSBクリエイティブ)。
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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