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名門エースの活躍に「負けたくない」 同級生の陰に隠れ…良き相棒も「どこか悔しさある」

FOOTBALL ZONE / 2025年1月10日 19時10分

■前橋育英3年生FW佐藤耕太が選手権で示す存在感

 前橋育英(群馬)は、今大会の高校選手権で第87回大会以来、16年ぶりに国立(準決勝は7年ぶり)に戻ってきた。現在4ゴールを叩き出している3年生FWオノノジュ慶吏には多くの注目が集まっているが、その隣にいる3年生FW佐藤耕太の存在にも是非目を向けてほしい。

 ゴールは1回戦の米子北(鳥取)戦の1ゴールのみだが、彼がいるといないとではオノノジュはもちろん、MF平林尊琉とMF黒沢佑晟の両サイドハーフ、MF石井陽とMF竹ノ谷優駕のダブルボランチの飛び出しにも大きな影響を与える。

 182センチのサイズを誇り、ポストプレーのうまさと鋭い身のこなしからのターンからの仕掛け、そして正確なパスとシュートのうまさを持つ佐藤は、人とボールが動いていく前橋育英のサッカーの中でも前線で攻撃の起点を生み出せる貴重な存在だ。

 今大会こそ1ゴールだが、2年生から不動の存在としてチームを牽引し、昨年の高円宮杯プレミアリーグEASTではチーム最多の6ゴールをマーク。今年のプレミアEASTでもオノノジュの10ゴールに次ぐ9ゴールをマーク。得点ランキングでは10ゴールが3人いたため、佐藤は4位タイという順位だが、これらの数字を見ても彼の能力を十分に図ることができる。

「昨年は周りの先輩たちに生かしてもらっていたからこそ、点が取れていたと思います。でも今年は僕が周りを生かしていかないといけない。それに改めて気づいたのがインターハイ予選前のプレミアEAST(第8節)の尚志(福島)戦で、それまで調子をずっと落としていて、一度スタメンを外されたんです。

 そこでもう一度自分のこのチームでのあり方を見つめ直して、冷静に周りを見て落ち着いてプレーしようと思ったら、その次からはパフォーマンスが一気に上がってスタメンに再び定着することができた。この経験が僕の中で自信を生み出しているので、ゴールを奪えなくても僕がチームのためにやるべきことをやれるかを冷静にやるということに集中できています」

 今大会も精度の高いポストプレーと懐の深いボールキープから周りの動き出しを見逃さずに正確なパスを通すことで、前橋育英の攻撃は迫力と厚みが増している。国立行きを決めた準々決勝の堀越(東京A)戦のオノノジュの決勝ゴールは、その直前に佐藤がペナルティーエリア右付近で縦パスを受けて、DF2人を引き付けてから右のポケット(ペナルティーエリア内の左右のスペース)に走り込んだ黒沢へ振り向きざまの正確なスルーパスを通す。完全にフリーで抜け出した黒沢のシュートがクロスバーに当たったこぼれをオノノジュが押し込んだものだった。

「今大会では得点という面ではあまり貢献できていませんが、そのほかの部分で貢献できていると思います。慶吏とは今大会、『どっちが点を取ってもいいから、チームを勝たせよう』と話しています」

 佐藤自身も自分の存在価値を理解しているからこそ、手応えを感じながら自分のプレーができている。だが、それでも彼はストライカー。点が欲しくないわけがない。彼にとって、オノノジュは心強い相棒であり、絶対に「負けたくない」ライバルでもある。

「やっぱり選手権のゴールは格別。慶吏が点を取るのは嬉しいですけど、どこかに悔しさはあります。だからこそ、国立では2人のコンビネーションでともにゴールを決めて勝って決勝へ、決勝でも同様に活躍をして優勝をしたいと思います」

 陰の功労者から日の当たるヒーローへ。上州のタイガー軍団に欠かせない大型ストライカーの意地は国立の舞台で示される。(FOOTBALL ZONE編集部)

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