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日本美女目録 山本陽子という女優 さすが山本陽子、スター軍団の中でも物おじせずに堂々とした演技 山陽特殊製鋼の倒産事件がモデル「華麗なる一族」(1974年)

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月9日 6時30分

さまざまな作品で演技の幅を広げていった(夕刊フジ)

山本陽子といえば、何といっても42年間も続けた「山本海苔店」のCMで有名だ。2010年にはギネス記録に認定されているほど。「別冊宝島」で日本の女優100人にも選ばれている。

そんな彼女があっけなく亡くなった。22年にはあるインタビューで「健康そのもので入院したこともない」と話していた。毎日7000歩のウオーキングを欠かさず、掃除や料理もこなし、高麗人参が大好きで、食事には人一倍気を使っていたと語っている。

今回は「華麗なる一族」(1974年、山本薩夫監督)を紹介する。山崎豊子の代表作でもある同名のベストセラー小説が原作で、山本監督にとっては66年の「白い巨塔」に続く山崎作品だ。

物語にはモデルがある。戦後最大の大スキャンダルといわれた、65年の山陽特殊製鋼の倒産事件。巨額の粉飾決算、横領に裏金が明るみに出て金融機関まで巻き込まれた事件が柱になっている社会派ドラマだ。

出演者の顔ぶれを見ても分かる通り、豪華なスターの競演。山本は主人公である万俵鉄平(仲代達矢)の妻、早苗を演じている。このスター軍団の中でも物おじせずに堂々とした演技を披露してさすがというほかない。

3時間31分という長尺だが、監督のエネルギッシュな演出力とオールスターの魅力が相まってまったく長さを感じさせない。

大財閥万俵家15代当主で阪神銀行の頭取、万俵大介(佐分利信)の長男である鉄平は優秀でいちずに生きている。一方、次男の銀平(目黒祐樹)はシニカルに世の中を斜めに見ている。

長女(香川京子)の夫で大蔵省主計局次長の美馬(田宮二郎)は鋭利なカミソリのように切れる男。妖しい色気をふりまく万俵家の家庭教師兼執事の相子(京マチ子)。純愛に突っ走る次女(酒井和歌子)はかわいいだけ。そんな中で、鉄平の妻、早苗はもっとうまく立ち回ればいいのに夫に気兼ねばかり。こうしてみると適材適所という配役だ。

阪神特殊鋼は実際の鉄工所で撮影。万俵邸は大林組の大林義雄邸を使ったというから驚く。

=敬称略

(望月苑巳)

■山本陽子(やまもと・ようこ) 女優。1942年3月17日生まれ、東京都出身。第7期日活ニューフェースとして芸能界入りし、63年に女優デビュー。2024年2月20日、81歳で急逝した。

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