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徹底解説 障害に克つ!男性更年期 「一過性」に効果的ホルモン補充療法 新古賀病院糖尿病・甲状腺・内分泌センター長の明比祐子医師に聞く

zakzak by夕刊フジ / 2024年4月24日 15時30分

新古賀病院糖尿病・甲状腺・内分泌センター長の明比祐子医師(夕刊フジ)

イライラしたり眠れなかったり、疲れやすいなど、加齢とともに生じやすい症状には、男性更年期障害が関わることがある。男性ホルモンのテストステロンが低下することで心身に悪影響を及ぼし、気分障害や生活習慣病など、さまざまな症状を引き起こす。

「ちょっとしたストレスでも、一時的にテストステロン値が低下することがあります。一過性の男性更年期障害に苦しむ人も珍しくありません。しかし、女性の更年期障害と違って、男性の場合は自分の更年期障害症状を医師にも告げにくい傾向があります」

こう話すのは新古賀病院(福岡県久留米市)糖尿病・甲状腺・内分泌センター長の明比祐子医師。新古賀クリニック(同)で「男性更年期外来」を開設し、日本メンズヘルス医学会の理事も務めている。

「不眠や気分の落ち込み、発汗、頭痛など、男性更年期障害は女性の更年期障害と同じように症状は多彩です。しかし、男性はその症状がテストステロンの低下によって起こっていると気づかない方もいれば、もしかしてと思っても病院に行くのを躊躇(ちゅうちょ)してしまう方もいます」

男性更年期障害は、一般的に性欲減退、勃起不全、朝立ちがなくなるといった〝性機能の低下〟と関係が深い。デリケートな分野だけに「男の沽券(こけん)にかかわる」と、意識してしまう人が多いようだ。テストステロンについても、性機能をサポートするという特性から、さまざまな誤解や偏見が生じているのが現状である。だが、それ以前に、男性更年期障害やテストステロンについて知らない人が多いことが問題となっている。

厚生労働省の2022年「更年期症状・障害に関する意識調査」によれば、「男性にも更年期にまつわる不調があること」の問いに対し、「よく知っている割合」は男性の30代で約11%、40代で10%、50代約16%、60代で約17%だった。

「一過性の男性更年期障害は、ホルモン補充療法で症状がよくなるケースが多い。しかし、『ホルモン補充療法をすると頭が禿(は)げる』など間違った情報が拡散しているため、治療の適応であっても『受けたくない』という人がいるのです」

先の意識調査では、更年期症状を自覚し始めても「受診していない割合」は、男性の40代と50代で約87%。日常生活への影響は男性の40代で約31%、50代で約25%だった。

「テストステロンが低くて睡眠障害や気力が低下している人が、ホルモン補充療法で睡眠の質を高め、元気を取り戻すことは十分に可能です。正しい知識を得て、適切に治療を受けていただきたいと思います」

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