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週休2日、朝練廃止…SNS活用で“時短徹底” 野球界への効率化の波「どんどん来る」

Full-Count / 2024年4月24日 7時50分

春夏6回の甲子園出場を誇る日大二の練習の様子【写真:伊藤賢汰】

■昨秋東京都大会4強…古豪・日大二は“自主創造”に活路「“余白”で伸びる人材を」

「大谷世代」の青年監督が、高校野球界に新風を吹かせている。春夏6回の甲子園出場を誇る日大二(東京)を率いる齊藤寛文監督の取り組みは、至ってユニークだ。昨年1月、コーチから監督へ昇格すると同時に、週休2日制を導入。限られた練習時間の中でSNSや動画などを有効活用して時短に努めるなど、時代に合わせた指導を行っている。指導方針などを聞いた。

 高校野球生活はそう長くはない。甲子園に出場できなければ、2年3か月ほどで終わる。その中で平日の2日間を休日に充てるという作業は、指揮官にとって想像以上にエネルギーのいる「改革」に他ならない。

「働き方改革の一環ということで学校からの話もありました。今は会社も週休2日で、朝早く来て仕事をせず、残業もしないで成果を出さなければいけないじゃないですか。野球界にもその波はどんどん来ると思います。これからは“自主創造”で切り開いていくしかありません」

 齊藤監督は中学時代にリトルシニアの全日本代表チーム主将を務め、世界一を経験。日大二では、2012年夏に主将として西東京大会ベスト8まで進出するなど、本格的に野球と向き合ってきた。それだけに、当初は不安もあったが、杉並区にある学校内で行っていた朝練もあえて廃止。睡眠時間をしっかりと確保することで、万全の状態で授業に臨むことができ、放課後に立川市内の野球部グラウンドで行われる全体練習の質を高めることもできた。

 その効果もあって、昨秋の東京都大会では33年ぶりとなる4強進出。今春こそ2回戦で敗退したが、着実に力をつけ、1982年夏以来の聖地を虎視眈々と狙っている。

「選手たちは野球だけじゃなく、家庭生活も学校生活もあります。週休2日にすることで、出てくる“余白”が考えることにつながり、選手たちが社会に出てからも、伸びる人材にしてくれると思っています」


日大二を率いる齊藤寛文監督【写真:伊藤賢汰】

■事務的な話はLINEグループで共有…Z世代に響く指導

 平日は2、3時間、土日でも5、6時間ほどの練習時間の中で“時短”にもこだわっている。ミーティングも極力短くし、事務的な話などはLINEグループで共有。自らの指導論をまとめたYouTubeも作成しているので、練習を止めて長々とアドバイスするのではなく「リンクを載せておくから見ておくように」と、生まれた時点でインターネットが普及していた「Z世代」に響く指導を行っている。

「自分が言ったことは全部パワーポイントにまとめてしまいます。そうすると、もう2度と同じことを言わなくていいので、無駄も省けて時間の短縮にもなります」

 東海大相模高、東海大で全国制覇を経験し、社会人野球の名門・いすゞ自動車で長く活躍した坂東寿彦助監督も、40歳年下の指揮官に最大限の賛辞を送る。

「彼のいいところは、いろんな書類を作ったりして、自分のものにしようとしている。それは財産だし、若いのに尊敬するよね。すごく期待をしているし、強いチームの監督のいろんな“香り”を吸収していってほしい。多分あと30年もしたら名将と言われているんじゃないかな」

 長くアマチュア野球に携わってきた坂東助監督から様々な学びを受けながら、齊藤監督は日々成長を遂げている。

「坂東さんと指導のすり合わせはできていて、もう一体です。『監督がやる仕事は投手継投とスクイズのサインだけだ』と言われていて、そこだけ考えているチーム、監督でないと組織ができていないし、選手も育っていないということです」

 温故知新。新旧を融合させながら、29歳の青年監督は、古豪復活をしっかりと見据えている。(内田勝治 / Katsuharu Uchida)

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