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インドSF超大作『カルキ 2898-AD』ナーグ・アシュウィン監督インタビュー「最初からヒーローではない主人公の魅力」

ガジェット通信 / 2025年1月8日 19時0分

『バーフバリ』シリーズで世界を魅了したプラバースの主演最新作『カルキ 2898-AD』が大ヒット公開中です。

『RRR』を上回る製作費110億円をかけたインドが贈る超大作を手がけたナーグ・アシュウィン監督にお話を伺いました。

――本作は神話とSFが融合されたエンターテイメントとなっていますが、監督は元々SF作品がお好きだったのですか?

SFファンタジーは小さな頃から好きでしたので、SF作品を作ることはある種自分の夢でもあったんです。オリジナルのインド映画でSFファンタジーを作ることで、自分が子供の頃にワクワクした気持ちを思い出せる、幸せな気持ちになれる、そんな作品を目指しました。

『スター・ウォーズ』はもちろん大きなインスピレーションになっていて、特にエピソード、4、5、6です。あとは僕のいとこがアメリカからDCやマーベルのアメコミを取り寄せていたので、それらにも影響を受けています。あとは、カートゥーン ネットワークで日本のアニメを流していて、あんまり知られてない作品なんだけど、『忍者戦士飛影』という作品が大好きでした。とてもクールな作品です。

――そんなSFやアクション好きの監督としては、撮影現場のコスチュームやセットを見るだけでもワクワクしそうですね。

もちろんです。今回とても長い旅だったんですよね。歓声まで4、5年かかっているのですが、まずプロセスとしては、最初は脚本を書いて、コンセプトアートを作り、それから実際にセットを作りながらキャスティングを並行していき、やっと撮影になります。なので、撮影が終わって、最初に仕上がったシーンを観た時には「これが本当に自分の映画なの?!」という感動がありました。

――神話についてはいかがですか?昔から関心があったのでしょうか?

インドの叙事詩である「マハーバーラタ」は、これまでも数々の作品で描かれてきたので、今回テーマにするにあたって重量感のあるオリジナル性を目指しました。マハーバーラタは古代王国の王位継承争いのお話で、神の子である5人の王子たち「パーンダヴァ」と、王位をねらう100人の王子たち「カウラヴァ」の18日間の戦争を描いていて、物語自体に奥深さがあります。そんな素晴らしい物語を、他の作品たちとの差をつけながらオリジナリティを持たせることは挑戦でしたし、とても良い経験になりました。

――長い時間をかけての制作で、ご自身の中のヴィジョンがぶれることはありませんでしたか?

2部にしなきゃ無理だなと気付き、リライトする必要があったので、変化があったとすればそのくらいで、その他はぶれずに進めることが出来ました。既にパート2の20日分だけ撮影していて、2025年の6月ぐらいから編集に入れたら良いなと考えています。

――監督は日本のカルチャーもたくさん好きでいらっしゃるそうですね。

まずは黒澤明監督の映画ですね。古い映画で白黒映画でありながら、すごく野心的な作品が多くてたくさんの影響を受けています。あとはマンガとアニメも大好きです。「NARUTO -ナルト-」の大ファンで、今回の来日ではカカシ先生のグッズを買って帰りたいです(笑)。一人一人のキャラクターがたっていて、物語がとてもエモーショナルですよね。そして主人公以外のキャラクターの輝くシーンがたくさんある。そんなところが大好きですし、僕もそういう作品を作りたいです。

――プラバースさんもアニメのキャラクターの様な人間の想像を超えたカッコ良さがありますよね。

それはもちろんあると思います。バイラヴァというキャラクターに命を吹き込んでくれました。今回の物語ってバイラヴァは最初からヒーローなわけではないですよね。軽妙なところがあるって楽しいキャラクターなんです。プラバースさんも演じていて、そんなところが楽しかったそうですし、僕もはじめたくさんの子供たちがバイラヴァのことが好きなのはそこにあるんだろうなと感じています。

――今日は楽しいお話をありがとうございました!

撮影:オサダコウジ

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