勝負どころで示した攻撃力と逞しさ。湘南特別指定FW新井擁する市立長野が決勝進出!:長野
ゲキサカ / 2017年6月3日 22時15分
1-1で迎えた後半、上田西はFW田嶌遼介のロングスローやロングボールから相手DFに圧力をかける。また、守備面では大久保と田辺中心に堅い砦を築き続けた。23分に市立長野はFW小林恭也の右クロスから新井が決定的なヘディングシュートを放ったが、ボールはゴール左外へ。一方の上田西も直後にショートカウンターから右クロスを田嶌が頭で合わせたが、枠に飛ばすことができない。
特に攻め込みながらも得点できない市立長野にとってはストレスの溜まるような試合展開。慌てて攻めてボールを失うシーンも少なくなかった。だが、芦田監督が「多少、逞しくなってきました」と評するチームは攻撃で上手く行かなくても、相手アタッカー陣に守備で圧力をかけて前を向かせず、ボールを奪い切るなど自陣ゴールに近づけなかった。そして相手に研究された中で沈黙し、守り切られた昨年度の選手権予選と違う姿を見せる。
26分、市立長野は小林が新井とのパス交換から右クロス。これを中央で赤塩が競ると、最後はこぼれ球を木内が頭で押し込んで勝ち越した。芦田監督が「赤塩が潰れてくれましたし、木内も良く詰めていた」と讃えた1点。市立長野イレブンは控え選手の下へ駆け寄った木内を中心に喜びを爆発させていた。
その後、上田西は田辺を前線に上げて反撃。1チャンスを狙い続けると35分、根本のキープから右中間でパスを受けた田嶌が仕掛けて右足を振り抜く。だがシュートは右ポストをかすめて外側へ。対して、市立長野はアディショナルタイム突入後の37分、一瞬足の止まった相手の隙を逃さなかった新井が山中へスルーパスを通し、勝負を決定づける3点目を奪い取った。
上田西の徹底した攻守を打ち破った市立長野が決勝進出。まずは決勝で勝利することに集中するが、全国上位とも言える攻撃力を備えた今年、選手たちはその先の躍進を本気で狙っている。同じく圧倒的な攻撃力で長野を制して全国大会初出場を果たした昨年は1回戦で瀬戸内高に1-5で完敗。選手たちはその悔しさも忘れていない。新井は「(昨年の全国初戦敗退は)チーム全体で忘れていないですし、まずは明日の試合で絶対に勝って全国で1勝でも多くというのは目標にしている」と語り、山中も「全国行っても自分たちのボールポゼッションを上手く使って圧倒的な攻撃力を見せて勝っていきたい」と誓った。目の前の難敵・松本一の壁を破って、全国に再挑戦する。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2017
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