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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:情熱の行方(tonan前橋・小檜宏晃)

ゲキサカ / 2017年6月22日 20時39分

tonan前橋・小檜宏晃

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

「『好きなことに関われるのは凄く幸せなことだな』って、改めて今になって感じています」。その男は少し照れくさそうに、それでいて何とも楽しそうに、笑いながらそう言葉を紡いだ。仕事と並行しながらボールを追い掛けるチームメイトに、そして希望に満ち溢れた子供たちに囲まれ、充実した毎日を送っている小檜宏晃。4年間のブランクを経て、再びサッカーの世界へ戻ってきた彼を待っていたのは、その世界にどう自分が関わっていくかを再考するための日々だった。

 天皇杯2回戦。NACK5スタジアム大宮に乗り込み、大宮アルディージャとのアウェーゲームに挑むtonan前橋。7人が名を連ねたベンチメンバーの中に小檜の名前はあった。ウォーミングアップの“4対1”でも、その技術は際立つ。「基本的には常に股しか見ていないです」と笑ったように、次々と輪の中に入った“鬼”の股下へボールを通す。「それこそ本当に宮内(聡)さんやケツさん(川勝良一さん)も『ボール回しは股抜いてナンボ』みたいな感じでしたから」と口にした指導者の名前に、辿ってきたキャリアが窺える。

 前半は0-0で推移したものの、後半19分にネイツ・ペチュニクとドラガン・ムルジャを同時投入した大宮は、2人の活躍で2点のリードを奪った。すると、「みんな頑張って守ってくれていましたけど、外国籍の選手が出てきたのは、正直な所ちょっとズルいなと(笑)」思っていた小檜にアマラオ監督から声が掛かる。残された時間は15分。「最初のプレーでガッツリ取られるのも嫌だったので」、ファーストタッチは裏に短く出したインサイドキック。以降もボールに触ろうとはするものの、効果的なプレーには至らない。「大学の時はJのクラブとも練習試合をやらせていただく機会が多かったので、その時のことを思い出すじゃないですけど、やっぱり自分もチームもまだまだ甘いなと。ファーストタッチ1個で決まるなとか、レベルの差は感じたので、次からのトレーニングでも基本を充実させてやっていきたいと思います」。最終的なスコアは3-0。J1との対峙は個人にとってもチームにとっても、その差を痛感させられる時間となったが、そもそも小檜にとってはこの舞台に立つこと自体が、ほんの1年半ほど前では考えられなかったことでもあった。

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