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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:情熱の行方(tonan前橋・小檜宏晃)

ゲキサカ / 2017年6月22日 20時39分

 宮阪政樹(松本)、丸山祐市(FC東京)、大竹洋平(岡山)を筆頭にのちのJリーガーが同期に居並ぶFC東京U-15深川で実力を磨き、進学した成立学園高では宮内聡総監督の下、1年からレギュラーを任され、高校選手権で全国の舞台も経験。大津祐樹(柏)、舞行龍ジェームズ(川崎F)、菅野哲也(長野)と3人の高卒Jリーガーを輩出した代でも、小檜の存在は抜きん出ていたように記憶している。法政大で共にJクラブの監督経験を有する川勝良一氏と水沼貴史氏の指導を仰ぎ、本人もより高いレベルでのプレーを希望していたが、4年時の夏に右ひざ半月板損傷の大ケガを負い、「その時に自分の気持ちの中で『Jはいいかな』と」区切りを付ける。その後、知人のツテを辿り、「メチャクチャ頭の良かった自分の同期は履歴書で落とされているような会社だったので、『俺が行っても』と思っていたのに、何か知らないですけどトントンと受かっちゃって」大手電気会社への就職が内定。2012年の春。小檜にとって“1度目”のサッカーキャリアは大学卒業と共に幕を下ろすことになる。

 入社すると「一番忙しい部署に入れられて、何だかんだで一番忙しい仕事を任せてもらえた」という。「自分は事務局で、現場の人が仕事を持ってきて折衝とかをするんですけど、自分も全然わかっていなかったのに『いや、そのくらいはやってもらいましょう』みたいな(笑) そういう交渉を任されたりしましたね」と当時を振り返る小檜。「仕事でいっぱいいっぱいで、業務内容を覚えることもそうですし、営業もやっていたので飲みに行って、3時まで飲んで朝起きて仕事して、朝まで飲んでの繰り返し」の毎日。ボールを蹴るのは半年に1回ペースで会社の同僚とやるフットサルだけ。多少の心残りはあったものの、それこそ大津が出場している柏レイソルの試合を同期と見に行った時でさえ、「もっと会社のみんながサッカーを好きになってくれたらいいな」とは思ったが、自分がプレーするイメージは湧かなかった。

 ところが、転機は意外なタイミングで訪れる。入社3年目。「自分はずっとこの会社で働くんだろうな」と思い始めていた2014年11月。小学校の時に在籍していたクラブが社会人チームを立ち上げることになり、小檜にも声が掛かる。その練習に参加した際、自らの高校時代をよく知るクラブの先輩から意外な提案を受けた。「俺が何とかするからもう1回サッカーをやってみないか?」。思いがけない言葉に25歳の心は揺れる。サッカー界にパイプを持つその先輩の紹介で高木義成(岐阜)や南雄太(横浜FC)と食事を共にする機会もあり、自分のために親身になって動いてくれる方々の姿を見ている内に、小檜のサッカーに対する情熱は再燃した。年が明けるとお世話になった会社に退社の意向を伝え、“2度目”のサッカーキャリアをリスタートさせるための日々に身を投じる。

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