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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』 夏の終わり(都立三鷹中等教育学校)

ゲキサカ / 2017年8月27日 12時32分

都立三鷹中等教育学校の“6年生”15人が試合後に記念撮影

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

「やりきりました。やりきったんですけど…」と一瞬間を置いた後に、「やっぱり負けると悔しいですね」と、少し目を赤くしながらキャプテンの奥村耕成は笑顔で言葉を続ける。8月21日。都立三鷹中等教育学校の“6年生”たちにとって、みんなで挑む最後の大会となった高校選手権は、おそらく一生忘れることのない想い出を心に刻み込み、真夏の駒沢で幕を閉じた。

 冬の全国を2度経験するなど、“都立の雄”として知られる三鷹。2014年度にも選手権予選で難敵を相次いで倒して東京を制し、全国の舞台では優勝候補筆頭と目されていた東福岡高に敗れたものの、その爽やかな戦いぶりは話題を呼ぶこととなる。当時、三鷹の“3年生”だった奥村は、「正直予想もしていなかったので、本当に凄いなと」思いながら、その戦いぶりを見つめていた。

 いわゆる中学校に当たる前期課程が3年間、高校に当たる後期課程が3年間、計6年間の一貫教育を採用している三鷹では、“4年生”からが高校サッカーのスタートとなる。全国に出場したチームの最上級生が、最後に高校から入学した世代で、奥村たちの代とはちょうど入れ替わり。以降の後期課程におけるサッカー部は、全員が中等教育学校出身の選手たちで占められる。

 大きな結果を残した次の年のチームには、言うまでもなく様々なプレッシャーが掛かるもの。とりわけ全国経験者がほとんど卒業し、前所属チームも大半が中等教育学校サッカー部になっていた三鷹は春先から1勝が遠い。結局、1年間で20試合以上あった公式戦は一度も白星を手にすることはできず、選手権予選も初戦敗退。「自分たちも『全国に行きたいな』と思っていたんですけど、後期になって1年目で現実を知りました」と奥村。その翌年も芳しい結果を残すまでには至らず、8月の選手権予選で最上級生は引退の時を迎える。

「1勝することが凄く難しいものだというのを実感していました」と話すのはGKの堀切健吾。以前のようには行かない現実を突き付けられつつ、それでも前に進む以外に道はない。奥村や堀切も含めた “5年生”にとって、最後の1年はまだ蝉が歌い続ける季節にスタートを切った。

 新人戦の地区予選、総体予選の支部予選は共に初戦こそ勝ったものの、2試合目で敗退。“6年生”になってわずか1か月で、残されたトーナメントの大会は選手権予選だけとなってしまったが、一方で佐々木雅規監督は手応えも感じていた。「今年はメンタルも強い所があるので良いかなと。奥村を中心にまとまりが良いですね」。その奥村も同じような印象を抱いていた。「練習でもめたりすることもあったんですけど、結局今年の代は最後に話がまとまる代だったので、全員で同じ方向を向けたかなという感じはありますね」。

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