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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』 夏の終わり(都立三鷹中等教育学校)

ゲキサカ / 2017年8月27日 12時32分

“6年生”の大半は前期課程から一緒にボールを蹴り続けてきた仲間。「何でも言い合えるし、みんな親友みたいな感じですね。誰かが落ち込んでもみんなで笑い話にしたりして。一緒にいるだけで楽しいです」と笑うのは堀切。センターバックの相田直人も「僕らは後期に入ってかなり人数が減ったんですけど、だからこそ仲良く自分たちで話し合って、雰囲気良くできるようになったと思います」とその結束を口にする。6年間の集大成とも言うべき選手権予選。初戦で6-1と快勝を収めた三鷹は、鬼門の2試合目も突破。都大会進出を懸けて都立駒場高との一次予選決勝へ臨む。

 8月21日。9時30分。駒場のキックオフでスタートしたゲームは、序盤から「ハッキリやるというチームのコンセプト」(堀切)を体現した三鷹が出足良く立ち上がる。すると、前半18分には木原博光のCKから、浦和史弥が左足ボレーで叩いたボールはゴールネットを揺らす。10番を背負う“6年生”の一撃で、「ゴールを取るならセットプレーしかない」(堀切)三鷹が先制点を強奪。以降も敵将の山下正人監督も「頑張るし集中力があるし、全員でやることがハッキリしていたよね」と評する戦いぶりで、1点をリードして前半を折り返す。

 後半は早々にスコアが動いた。開始2分でPKを獲得し、これを沈めて1-1の同点に追い付いた駒場にスイッチが入る。攻める駒場。守る三鷹。ただ、押し込まれる中でも三鷹の守備陣は水際で凌ぎ続ける。「僕らはヘタクソなんで、割り切って最初から簡単にやろうと思っていました」(奥村)「僕らは自分たちがヘタだってわかっているので、挑戦者だという意識でやってきました」(相田)。2人の言葉を指揮官もなぞる。「本当にヘタクソなヤツばっかりなんですけど、自分たちがヘタクソだということは一番知ってるんですよね。怒られてばっかりいて、よくぞそれに耐えてここまで来たなという感じなんです」。

 3年前に全国まで辿り着いた“先輩たち”の姿が重なる。あの時も決して上手いチームではなかったが、最後の最後まで全員が頑張ることのできる好チームだった。後半アディショナルタイム。相手のシュートを体でブロックしたのは「自分たちでも『ヘタだな』とか言い合ってるんです。確かにヘタなんで」と笑いながら話してくれた相田。80分間の終了を告げる主審のホイッスルが鳴り響く。都大会進出の行方は延長戦へと持ち越された。

 延長後半4分。駒場がこの日2度目となるPKを奪う。堀切は逆を突かれ、キックは成功。2-1。とうとう両者に点差が付いた。ほとんど時間は残されていない。それでも奥村は「仲間を信じていたというか、根拠のない自信ですけど、このチームなら行けると思っていた」という。

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