金メダル獲得のユニバ代表、重廣、柴戸、鈴木に聞く!! 世界一までの道とこれから
ゲキサカ / 2017年8月31日 10時45分
――優勝という目標を達成できたわけですが、ターニングポイントを挙げるとしたら?
鈴木:福島県のいわきでの最終合宿ですかね。いよいよ本大会が始まるという時期に(東北大震災の)被災地に行くとか今までにはなかった経験をして、自分たちは大学生の代表だけど、いろいろな人の気持ちを背負って、国を背負って戦わなくてはいけないと思いましたし、応援してくれる人が日本中にいるんだということを大会に入る前に認識できたのは、大きな経験だったと思います。
重廣:試合前に見るモチベーションビデオかな。児玉さん(児玉進二GKコーチ、福岡大)を中心に作ってくれていたものなんですけど、スタッフの思いが込められていて、選手が感じ取ってピッチで表現するということが毎試合できていたかなと思います。
柴戸:デンソーカップチャレンジ(2016年2月、1回戦で北海道・東北選抜にPK戦の末に敗戦。今年2月の大会も決勝戦で関東選抜Aに●1-2)とか3月の日韓戦(デンソーカップ大学日韓定期戦。全韓国大学選抜に●1-2)で負けたことも、このチームを強くしてくれたと思います。タイトルを取っていないという危機感があって、大会中も「タイトルを取れていないから、世界一になって見返そうぜ」という声が出ていました。
――優勝の瞬間以外で、大会で一番印象に残っているシーンを教えて下さい。
柴戸:準々決勝のイタリア戦ですね(※イタリアは、試合開始2分で退場者を出した上に失点。その後、リードを広げられると反撃せず、攻め続ける日本に対して「もう攻めるな、十分だろう」という態度を示した)。
僕は途中から試合に出たんですけど、本当にあり得ない、悔しさを感じました。日本人だったら6点差でも諦めませんし「点を決めるな」なんて態度は取りません。文化の違いがあるにしても、悔しいというか、怒りを覚えました。今大会で一番、印象に残っています。こんな選手やチームもあるのかと思いましたけど、僕は絶対にこんなふうにはなりたくないと思いました。
イタリアは、以前は“カテナチオ”と呼ばれるような伝統を持った国。それでも、試合の立ち上がりのちょっとしたことでチームが崩壊してしまうんだと感じたので、日ごろから意識して取り組まないと、自分もいつかそんな感覚になる日が来てしまうのかもしれないとも思ったので、イタリア戦で学んだことは多かったです。メキシコ戦で個人的に良いパフォーマンスを出せたのは、イタリア戦の悔しさをぶつけられたからだと思います。
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