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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:205センチという“個性”(鳥取・畑中槙人)

ゲキサカ / 2017年9月11日 11時10分

Jリーグの歴史の中でも、日本人最長身となる205cm。ガイナーレ鳥取FW畑中槙人

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 遥か頭上へと視線を送りながら話を聞く、あの夏の日と変わらないやり取りに抱いた既視感は、しかし会話が進むにつれて、逆に少しずつ、少しずつ消えていく。それはさらに2センチほど伸びた身長のせいではないだろう。

「周りにはもうサッカーをやっていない友達も結構いる中で、こういうふうに毎試合メンバーに入れるか入らんか、試合に出れるか出れんかみたいな、そういうドキドキで人生懸けてやっている感じは、誰にでも味わわられへんやろうなって。今それができるのは幸せだなって思ってやってますね」。その高さ、205センチ。日本サッカー史上類を見ない“個性”を有する畑中槙人は今、本当の意味でプロフットボーラーとしての道を歩み始めている。

 2013年の夏。17歳だった畑中は、ガイナーレ鳥取U-18の一員として群馬の地で全国デビューを飾る。当時のメンバー表に記載されていた身長は203センチ。ハイボールに競り合う相手とは、時に30センチ近い身長差が生じることもあった。関根貴大や茂木力也を擁する浦和ユースに敗れた試合後。本人に話を聞いてみると、決して言葉数が多いタイプではないが、1つ1つの質問へ丁寧に答えていく。

「強い相手とできるので、全国はやっていて楽しいです」と話した後に好きな選手を問われ、「昔はシェフチェンコが好きだったんですけどね。こんな身長が伸びると思っていなかったので(笑) 今はクラウチとかイブラヒモビッチを見ています」と笑いも取りにくるあたりに、関西出身の気質が滲んだ。ただ、自分の身体とそれを動かす感覚の違和が拭えず、プレーにはその不安が潜んでいるような印象を受けた。

 2014年の夏。18歳になった畑中は、再び全国の舞台に帰ってくる。大会直前の体調不良により、千葉U-18と対戦した初戦は終盤のみの出場となったが、1年前より身体の使い方も整理され、足元の技術も向上しているように見えた。

「今は身長だけで目立っていると思っているので、もっとプレーで見せたいですし、ヘディングも去年はたまに負けたりしていましたけど、この1年は絶対負けちゃいけないと思うので、『絶対コイツには勝てない』と思わせるぐらいのプレーをしたいです」。

 1年前より言葉の端々にも力が宿る。今後の進路を尋ねると、「どこに行くかはっきり決まってはいないんですけど、大学でサッカーして、もっと上の舞台でやるのが夢ですね」とのことだった。2年で2度交わした短い時間の会話からでも、性格の良さは十分に窺えた。その規格外のサイズがゆえに待ち受けているかもしれない困難も想いつつ、彼の成功を祈りながら別れたことを記憶している。

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