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伝説のPKストッパー…驚異のPK阻止率の“秘密”に迫る:後編

ゲキサカ / 2017年10月14日 0時28分

 彼らは主にリバプールのゴールキーパー、シモン・ミニョレをサポートした。ミニョレはプレミアリーグで高いPK阻止率を残している名手である。

「私はいつも試合前に分析チームと打ち合わせ、必ず相手チームの作戦にすべて目を通しています。その中にはPKも含まれます。どのようにデータを集めたのか、特定のパターンはないか、そこから学べることは何か、私たちは精査しているのです」。ベルギー代表キーパーでもあるミニョレはこのように語っている。

 2017年1月、プレミアリーグで4位と不調気味のリバプールはホームのアンフィールドで首位チェルシーと対戦した。77分、ロンドンから乗り込んだチェルシーはPKのチャンスを得た。得点能力の高いストライカー、ジエゴ・コスタが前に進み出た。

 ミニョレは広い顎でチューインガムを噛みながら、両腕を上に挙げてゴールライン上に立っていた。193cmの彼でさえ、ジャンプしなければその手はクロスバーに届かない。ジエゴ・コスタはキーパーの右側に蹴り込むことを好む、という分析担当者のデータをミニョレは思い出した。しかし、ジエゴ・コスタはゴールネットに向かってボールを高く蹴り込むこともできるし、あるいは地面に近いところに低く蹴り入れることもできる。

 ミニョレは高いシュートにも低いシュートにも反応できるよう「中間に」飛び込むよう指示されていた。そのときを思い出し、ミニョレは次のように述べた。

「はっきり言っておきたいのは、PK阻止はサッカー人生の中で最高のゴール阻止ではない、ということです。なぜなら、PKの場合は自分で心構えができるからです。試合中にゴールを防ぐのは、はるかに受動的で準備の余裕もありません。だからPKよりも他のシュートのほうが阻止するのは難しいのです」

 ホイッスルが鳴った。予想通り、ジエゴ・コスタはキーパーの右側に蹴り込む。ボールは芝すれすれにキーパーの体の下を抜けようとした。しかし、準備していたミニョレは右腕でボールをすくい上げた。

 サイドラインでリバプールのユルゲン・クロップ監督が雄叫びを上げた。「俺たちに勝てるものはいないんだ!」。ただし試合は1-1のドローに終わった。

 高いPK阻止率で「伝説」となったジエゴ・アウベスは「先を読むということ」については卓越した存在ではないという。統計分析によると、彼が飛ぶ方向を正しく推測できたのは、PKの53%にとどまる。

 63%においてアウベスはキックする選手のナチュラルサイドに飛び、37%でナチュラルサイドとは逆の方向に飛んでいる。これはゲーム理論家の予測する平均に近い値だ。アウベスへのシュートの15%は中央に蹴りこまれたが、彼が真ん中にそのままとどまったことはない。彼の本当の能力は、飛び込んだあとに明らかになる。

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