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伝説のPKストッパー…驚異のPK阻止率の“秘密”に迫る:後編

ゲキサカ / 2017年10月14日 0時28分

 実は、キーパーがPKのシュートと同じ方向に飛んだ場合でも、ゴールが決まる確率は60%以上あるのだ。だが、アウベスがシュートと同じ方向に飛んだ27回のPKのうち、得点を許したのはわずか3回。キッカーから見ると、成功率はわずか11%だ。

 つまり、アウベスのPK阻止率が高いのは、シュート方向の予想が当たったからではない。アウベスの高い身体能力のおかげなのだ。彼は直感に頼らず、状況に応じたセーブをする名手だったのである。

 アトレティコ戦でアウベスが2本のPKを止めてから3週間後、バレンシアは本拠地でバルセロナと対戦した。試合は2-2のスコアのままロスタイムに入った。92分にバルセロナのストライカー、ルイス・スアレスがペナルティーエリア内でファウルを受け、審判がホイッスルを吹いた。

 当時バレンシアの監督だったチェーザレ・プランデッリはベンチから立ち上がり、怒った様子で水の入ったボトルをグラウンドに投げつけた。

 メッシがペナルティースポットにボールを置いたとき、アウベスは、審判が戻るよう指示したにもかかわらず、メッシの前に立って見下ろした。アウベスはこのときのことをこう語る。

「私はメッシに言ったんだ。『前回もキミのシュートを止めたんだが、覚えているかな』って。あとになって、メッシは『どこに蹴ればいいのか分からなくなったよ』と話してくれた。本当は思いきり速いシュートを蹴りたかったんだろう」

 ここで、メッシは常人にはマネできない高度な技を使ったのだ。PKを記録した動画を観ると、メッシはサイドキックでシュートしようとしているように見えた。だがその代わりに、このアルゼンチン代表FWはゴールの右下隅を狙って、左足のシューズの紐の部分でボールを強打したのだ。

「メッシがこんな風にPKを蹴ったのは初めて見たよ」とアウベスは語った。ボールは芝をかすめるように飛び、キーパーの指先をわずかに避けるようにしてゴールポストの数インチ内側に飛び込んだ。

 これがアウベスにとって「2回目」の例となった。アウベスがナチュラルサイドである右側に飛び、ボールも同じ方向に飛んだにもかかわらず得点を許した、数少ない例である。

 アウベスに勝つには、世界最高だと広く認められている選手が完璧なPKを決めることが必要なのだ。

 だが、パラシオス=ウエルタは、動画を見たあとでこう言った。

「いや、メッシは左側に蹴るべきだったと思います」

★記事全文は「クーリエ・ジャポン」よりご覧ください

(c)The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Not to be redistributed, copied or modified in anyway. Kodansha is solely responsible for providing this translation and the Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
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