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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:幸せな時間(東京朝鮮高)

ゲキサカ / 2017年11月9日 20時25分

 監督就任は今年のこと。今の3年生は入学した時から“姜コーチ”の指導を受けてきた。ハン・ヨンギはある日のことが強く記憶に残っている。「高1の時のイギョラ杯で西が丘を使っていて、僕らは運営やボール拾いをやっていたんですけど、試合が終わって最後にここを片付ける時に、姜先生が『この西が丘にまた来て、勝とう』と言ったんです」。約束の地にみんなで帰ってきて、こんな試合を繰り広げるとは、その時の誰が予想し得ただろうか。

「生徒たちも僕が監督になって半信半疑だったと思うんですけどね」という指揮官の予想は、キャプテンの一言があっさり覆す。「僕たちは1年生の頃から、監督に3年間ずっと付いてきてもらっていたので、監督を全国に連れて行きたかったし、監督になって1年目だったからこそ、良い結果も残したかったんですけど、ここで負けちゃって本当に悔しいです」。“半疑”の人に対してここまでの想いは出てこない。「姜先生と僕たち高3の中での“団結力”というか、絆も深まったと思います。3年間楽しかったです」。ハン・ヨンギはそう言って、少し微笑んだ。

 姜監督への取材も終わりが近付いてくる。「いろいろ学ばせていただきましたし、本当に幸せな時間を過ごさせてもらいました。今日も本当になんかワクワクして、こんなに良い天気で、関東第一というチャンピオンとやれるということで、体力的な所で少し不安な所はあったんですけど、もう関東第一には是非全国優勝までしていただきたいですし、『東京のチームに頑張ってもらいたいな』と今、僕は本当にそう思います」。実直な人柄が口調に滲む。「ありがとうございました。お疲れさまでした」。“取材”という空間が終わると、小さく息を吐いた姜監督は100分間について「もう、ちょっとあんまり途中から覚えてないです。『何が起こっているんだろう?』って(笑)」と正直に明かし、こちらを笑わせてくれた。やはりこの人には元気な笑顔がよく似合う。

 “幸せな時間”の定義は人それぞれだ。いつ感じるか、あるいはどう感じるかによって、その定義も変わっていくはずで、分母が増えれば増えるほど、同じ想いを共有することは難しくなっていくのだろう。それでも、東京朝鮮の3年生にとっての“幸せな時間”と、姜監督にとっての“幸せな時間”は、きっと過不足なく合致している。西が丘の100分間。新チームになってからの1年間。そして、高校に入学してからの3年間。彼らが積み重ねてきた“幸せな時間”の結晶はこの日、多くの見る者の心を揺さぶり、多くの見る者の心に刻まれた。

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SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史
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