『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』: オトコ!オトコ!ミドリカワ!(昌平高・緑川光希)
ゲキサカ / 2018年1月3日 7時37分
2017年シーズンがスタートすると、「この年代は厳しい年かなと思っていた」という指揮官の予想を覆すかのように、チームは新人戦、関東大会予選、関東大会、総体予選と立ち上げから4大会続けての優勝を記録する。ただ、前年以上の結果が期待された全国総体では、初戦で日大藤沢高に逆転負け。試合後に緑川は「少し気負い過ぎたのかなとは思いますし、日本一という大きな目標を見過ぎて、一歩一歩という部分を少し守れていないのかなと感じました」と珍しく肩を落としていたが、この敗戦はチームの在り方を改めて見直すキッカケともなった。
冬の全国は未経験だった3年生にとって、最後の選手権予選がやってくる。緑川も「練習に取り組む姿勢はインターハイが終わってから良くなったと思いますし、緊張感もきっちり持って取り組めていると思います、あの夏の悔しさは誰も忘れていないと思うので」と話していた通り、意識の部分で自ら変化を加えていった昌平は、着実に1つずつ勝利を重ね、過去2年は共に敗れていた“準決勝”という鬼門も、武南高に5-0と快勝を収めることで突破。決勝でも浦和西を2-1で退け、3年ぶりの全国切符を獲得した。「『3年目にしてやっとあの舞台に立てるんだな』という実感が湧いています」と口にしたのはキャプテンの石井優輝。日本一への再挑戦を掲げ、昌平は2度目となる冬の全国へ歩みを進める。
タイムアップの笛を聞くと、黄色いユニフォームを纏った守護神は仰向けになったまま、しばらく立ち上がることができなかった。「『ああ、終わった』って感じでした。応援してくれたスタンドの仲間や、同じように応援してくれた親のことを考えたりして、『本当に申し訳ないな』という、その気持ちしかなかったですね」。初戦は広島皆実高にPK戦で競り勝ち、年が明けて臨んだ2回戦の神村学園高戦。前半9分に背負った1点のビハインドを跳ね返すことができず、昌平の選手権は浦和駒場スタジアムで幕を閉じることとなった。
試合が終わって1時間ほどが経過した頃。緑川がロッカールームから姿を現す。最初に試合の感想を尋ねると、「14番の注目選手に点を取られちゃったのは自分としても悔しいですし、注目選手を抑えたら自分も注目されるだろうなというのはちょっと思っていたので(笑)、その相手にやられてしまったのは悔しいです」という答えが返ってきた。強い悔しさを滲ませながらも、早くも会話にユーモアを挟み込んでくるあたりが彼らしい。
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