[プレミアリーグWEST]“奇策”成功の阪南大高、昨年12試合かかった1勝を初戦で勝ち取る

　だが、阪南大高は原田対策のために左SB岸田悠希(3年)を右サイドへ移し、また交代出場の1年生左SB小西宏登も1対1で奮闘。そして、カバーリングやクロスの対応で抜群の存在感を見せるCB高木践(2年)と中村成のCBコンビが最後まで要所を封じ続けて3-1で白星を勝ち取った。

　米子北の中村監督はFW陣が相手CB中村成や高木に良い距離を取って守られていたと分析。一方、キック、落ち着いた守備で阪南大高の勝利に貢献した中村成は「(CB起用は)僕もびっくりです。キックが遠く飛ばせるので裏返すボールをしっかり配球して、声出しも言われていたので意識していました。きょうは裏返せたので良かった。対応できたと思います」と頷く。セットプレーから2得点も演出して勝利の立て役者となった。

　阪南大高は昇格1年目だった昨年、開幕戦で優勝候補筆頭の広島ユース相手にドロー。好スタートを切ったように映ったが、その後勝ちきれない試合が続き、初勝利は第12節までお預けとなった。だが、今年は会心の白星発進。中村成は「今回、早く勝てたんで波に乗っていけたらいいんですけれども、もっと引き締めていきたい」。1勝の喜びに浸りすぎることなく、切り替えて次の白星を狙う。

(取材・文　吉田太郎)●2018高円宮杯プレミアリーグWEST特集