「東京五輪への推薦状」第56回: “和製モドリッチ”高江麗央が開花させつつある新たな一面
ゲキサカ / 2018年5月2日 7時42分
2020年東京五輪まであと2年。東京五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ1997年生まれ以降の「東京五輪世代」において、代表未招集の注目選手たちをピックアップ
「走ること自体は前から嫌いじゃないんです」
そう言って屈託ない笑顔を浮かべたのは、ガンバ大阪のMF高江麗央だ。東福岡高を卒業して2年目のシーズンを、ちょっと意外なポジションで過ごしている中で出てきた言葉である。今季、与えられたポジションはボランチだった。高校時代は攻撃的なMFやウイングとしてプレーし、昨年のG大阪U-23でも主にサイドでプレーしてきた選手だけに、少し意外なチョイスである。
とはいえ、元よりボールテクニックやキックの精度には定評のある選手。攻撃面を買われての起用であればよくわかる。だが実際にピッチで見せているのは、意外にも土の匂いを感じさせる泥臭いプレーだ。的確な位置取りからボールへ鋭くアプローチし、こぼれ球を拾い、虎視眈々とインターセプトを狙う。そうした守備のベースを見せた上で、ディフェンスラインからボールを引き出して、シンプルに繋いでさばくプレーでも特長を出している。
とりわけ、21日に行われた伝統ある大阪ダービーでのプレーは出色の出来だった。リーグデビュー戦だったのだが、決勝点に繋がるパスカットを見せたといった分かりやすいプレーだけでなく、攻守での堅実な貢献が光る働きぶり。「(ボランチの相方だった)マテウスが攻撃的な選手だったので、まず守備を意識していた」という様子は、高校時代の攻撃的なプレーを知る側からすると驚きですらあった。
「ホントに以前の自分は全然守備ができていなかったのですが、宮本恒靖さんや山口智さんなどにいろいろなことを教えてもらって、個人的にもアドバイスをいただいて、徐々にボールも奪えるようになって、守備の楽しさが出てきた。元から守備のできない選手でしたが、守備の嫌いな選手でもなかったので……。しかも、いろいろなポジションを経験させてもらったことも生きていると思います。今年もU-23でやったことによってここまで成長できたと思います。ボランチになるとは思っていなかった。それも恒さんたちのおかげですね」
弱みだった守備の戦術面は、プロ入り後にG大阪U-23からスタッフに叩き直されたモノで間違いない。「プロになって一番伸びたのは守備面と、しっかりボールを回収できるようになったこと」と本人も断言する。ただ、ダービーではもう一つの強みも見せていた。
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