[関東2部]今年は違うぞ中央大!安定感増した守備、CB渡辺剛が壁に
ゲキサカ / 2018年5月12日 12時30分
昨季、中央大の勝ち数は、1部に昇格した早稲田大、国士舘大と同じだった。しかし勝ち点差でわずかに2届かず、中大は3位となり1部復帰を逃した。
理由は明確だった。後期は11試合中10勝と圧倒的な強さを見せつけた中大だったが、前期に星を落としすぎた。「前期、あと少しだけ勝てていれば」。手塚聡監督は「たらればだが」と前置きをしながらも、そう繰り返した。
昨年だけではない。その前年も、そのまた前年も、中大は終了間際や立ち上がりの失点が多く、“守り切れない”弱さが目立った。ところが今年は違う。無失点とはいわないまでも、不用意な失点が激減。得点力もさることながら、守備の安定感が開幕から全勝という中大の快進撃を支えていることは間違いない。
手塚監督は「センターバックとGKの連携がよくなった。そして昨年を経験したことで、ディフェンスラインが大きく成長した」と、好調な守備を分析する。その中心となるのはDF渡辺剛(4年=山梨学院高)とDF上島拓巳(4年=柏U-18)のセンターバックコンビだ。
なかでも1年時からレギュラーポジションを得ていた渡辺剛は、中大の2部降格から、僅差で昇格できなかった昨年までを目の当たりにしてきた。
185cmの長身を活かしたヘディングに絶対の自信をもち、空中戦にはめっぽう強い。どんなボールも跳ね返す当たり強さも目を引くが、本人は「得意なのはカバーリング。どちらかといえばディフェンスラインを統率するタイプ」だという。ただ、昨年の前期は、それができなかった。
「昨年はキャプテンの須藤岳晟さんがセンターバックに入っていたこともあって、どこか彼に頼っていた部分があった」と振り返る。しかし、そんなどこか甘えた気持ちはすぐに見抜かれた。「後期に入ったところで、須藤さんに“お前がもっと引っ張っていけ”と言われた」ことで目が覚めたという。「自分が積極的にディフェンスラインを統率するようになってからは、全体的に守れるようになった。今は高い位置での守備もうまくやれていると思う」。
中大には、年代別代表、高校選抜といった華々しい肩書きを引っさげてやってきた。 「高校のときは、何から何までうまくいっていた。ヘディングでも全部勝っていて、高校選抜でもうまくいっていたし」。そんな渡辺に冷や水を浴びせかけたのが、U-18日本代表での経験だった。
「上には上がいると思わされました。やはり日本代表は違う。それをいちばん感じたのは試合のとき。周りはみんな落ち着いて冷静にプレーしているのに、自分だけ“やらなきゃ、やらなきゃ”と慌てている。まずメンタルのところからして違う。経験の差があったかもしれないけれど、当時の自分はそれを実力の差だと思った」
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