10人目までもつれ込んだPK戦を制す!市立尼崎が滝川二突破し、兵庫連覇へ王手!
ゲキサカ / 2018年6月9日 10時51分
だが、その3分後の32分、滝川二が同点に追いつく。左サイド後方からSB柏原悠人(3年)がゴール前にFKを入れると、混戦からMF中森翼(3年)が左足シュートをねじ込んで同点に追いついた。勢いに乗った滝川二がロングボールからさらにチャンスを作ったのに対し、「(失点は)ウチの甘さが出た」(近藤監督)という市立尼崎もMF渡辺博樹(3年)のラストパスから上野が決定機を迎えたが、決めきることができず、延長戦に突入した。
延長前半終了間際、滝川二はMF島和暉(3年)の右足ミドルが右上隅を捉えたが、市立尼崎GK山下がファインセーブ。その後半6分には市立尼崎FW上野がGKと1対1になったものの、今度は滝川二のGK西垣悠暉(3年)が止め返す。勝利への強い思いを見せあった両校による好勝負はPK戦に決着を委ねられ、市立尼崎が決勝進出を決めた。
滝川二の松岡徹監督は「勝負どころで決めないといけない」と残念がった。一方、名門を乗り越えた市立尼崎は昨年、全国初出場。1回戦で山口の名門・高川学園高に0-1で敗れたが、そこで学んだことがある。上野は「相手の勢いとか声とか全然違っていて、応援も含めて多分相手の方が出ていたと思うし、(試合に)出ている選手だけじゃなくてベンチも凄く声が出ていた」と振り返る。自分たちも意識してきた声は今年、苦しい時間帯でチームを後押しする大きな力に。そして、磨いてきたポゼッションや個々のキープ力の高さなどを発揮した市立尼崎は、雪辱の舞台である全国まであと1勝とした。
主将のCB関飛龍(3年)は「今の目標は全国出るのは当たり前。今年は絶対に1勝、そして1勝できたらそのままの流れで優勝したいと思います」と力を込めた。滝川二相手に巧さを見せたが、選手、コーチ陣も自分たちはまだまだできると考えている。決勝で対戦する神戸弘陵はプリンスリーグ関西で現在首位。大きな壁だが、再びファイナルへ戻ってきた市立尼崎が勝って全国で昨夏からの成長を示す。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2018
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