ネイマール見破った『ビデオ判定』。9回/26試合で示した真価…ロシアW杯VAR全事例集2
ゲキサカ / 2018年7月6日 6時0分
【事例2】大会7日目 デンマーク対オーストラリア
大会7日目の21日には、VARと“2度目の再会”を果たした選手が出てきた。デンマークの1点リードで迎えた前半36分、オーストラリアMFアーロン・ムーイの右CKに対し、MFマシュー・レッキーが頭で合わせた場面だ。一度はプレーが流されたが、VARの連絡を受けた主審がピッチ脇のモニターに向かった。
映像では、レッキーのヘディングシュートがMFユフス・ポウルセンの手に当たっていることが確認され、主審はPK判定を下した。実はこのポウルセン、大会3日目のペルー戦でもPA内で相手選手を倒し、VARの介入によってPKを与えていた。さらに、このプレーで大会2枚目のイエローカード。グループリーグ第3節は出場停止となってしまった。
不思議な縁はこれだけではない。このPKを蹴ったのは、オーストラリアMFミル・ジェディナク。大会3日目のフランス戦でもPKを沈め、母国では“PK職人”として知られる名手だ。このキックも難なくゴールに蹴り込み、W杯通算3度目のPK得点。これは歴代最多記録というオマケ付きだ。
なお、ここでは『ハンドは相当だったのか』という問題が巻き起こった。ポウルセンはジャンプの反動で手を挙げていたように思われ、ハンドリングの反則にはあたらないという声も出ている。ましてやVARは「明白かつ確実な誤審」だけを修正するのがルール。ブンデスリーガで活躍する23歳の俊英にとっては、不都合なテクノロジーに映っていることだろう。
【事例3】大会7日目 フランス対ペルー
ともに第1戦でVARの恩恵に預かった両チームの対戦では、滅多に起こらない事例が発生した。それは④人違いによるVAR介入だ。国際サッカー評議会の調査によると、VARの介入は約3試合に1回の頻度。そのうち人違いの割合は1%程度だったため、単純計算で『300試合に1回』という“激レア”ケースだ。
そんな場面が見られたのは、後半36分ごろ。ペルーMFペドロ・アキノが相手選手を倒し、ファウルを告げるホイッスルが吹かれた。だが、イエローカードが提示されたのはMFエディソン・フローレス。すぐに選手が抗議を行い、VARとの確認で『人違い』は訂正されたが、ビデオ判定がなければ後味悪い結果となっていただろう。
【事例4】大会9日目 ブラジル対コスタリカ
初戦を勝ち点1で終えた“カナリア軍団”に全世界から視線が送られていた一戦では、W杯史上初めてPK判定が取り消されるという事態が起きた。その対象は世界有数の大スターであるFWネイマール。後半34分までスコアレスという緊迫した試合展開だったこともあり、PKを告げるホイッスルが吹かれた時点で、その後の行方には大きな注目が集まっていた。
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