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ネイマール見破った『ビデオ判定』。9回/26試合で示した真価…ロシアW杯VAR全事例集2

ゲキサカ / 2018年7月6日 6時0分

 その場面を描写すると、ネイマールがPA左をドリブルで駆け上がり、ゴール方向に向かって足裏ターンで切り返す。それに対応したコスタリカDFジャンカルロ・ゴンザレスが手をかけながら足を伸ばすと、ファウルをアピールするネイマールが、大きく手を広げながら後方に倒れるという形だった。

 いったんはPK判定を下した主審だったが、VARからの連絡を受けてピッチ脇のモニターへ赴き、スローモーションで映し出される該当シーンを入念に確認した。その後、VARの介入を示す『両手の指先で四角を描く』ジェスチャーで最終判断が出たことをアピールすると、プレーが行われた場所に戻り、プレーを続けるためボールを受け取った。そのまま試合再開。ファウルは認められなかったのだ。

 ここであらためて強調しておくべきは、VARが「明白かつ確実な誤審」でのみ判定に介入するという点。G・ゴンザレスの手はたしかにネイマールに掛かっていたが、ファウルに値する接触ではなかったと自信を持って判断した形となる。なお、接触事態は認められたのか、ネイマールのシミュレーションはお咎めなし。プレーが継続しているという扱いになるため、主審がボールを設置する『ドロップボール』で試合が続けられた。

 なお、試合は終盤に猛攻を見せたブラジルが2-0で劇的な勝利。アディショナルタイムにゴールを決めたネイマールの目には涙も見られた。VARによる判定取り消しに気落ちすることなく、高い集中力で試合に向き合った結果であろう。あるいは、リプレイ映像によって判定の裏付けが得られたため、不信感なく気持ちを切り替えられたのかもしれない。

【事例5】大会9日目 ナイジェリア対アイスランド
 結果的にグループリーグ第2節最後の介入となったのは、ネイマール騒動の次に行われた一戦。ナイジェリアの2点リードで迎えた後半35分、バックパスに反応したアイスランドFWアルフレズ・フィンボガソンがPA内でボールを追うと、後方からDFティロネ・エブエヒに引っかけられたような形になった場面だ。

 主審はいったんプレーを流したが、すぐにモニター確認を実施。判定を修正し、PK判定を下した。だが、これをキッカーのMFギルフィ・シグルズソンが大きく枠を外し、1点を返すことはできず。VARの恩恵を生かすことはできなかった。ここでは大きな騒動はなく、久しぶりに通常どおりの運用が行われたと言える。

【※例外事例6】大会7日目 イラン対スペイン
 なお大会7日目には、VARの介入には至らなかったが、得点に関わる大きな貢献があった場面もあった。スペインの1点リードで迎えた後半20分、イランのFKからMFバヒド・アミリのヘディングシュートがネットを揺らしたシーンだ。一方的に攻め込まれていたイランにとって、絶望的な失点直後だったこともあり、一度は“起死回生の同点弾”に大いに沸き立った。

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