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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:敗れざる者たちの明日(山口U-18・中山元気監督、福岡U-18・藤崎義孝監督、大宮ユース・村田耀)

ゲキサカ / 2018年8月10日 8時30分

 悔しさと充実感の入り混じった表情で取材エリアに入ってきた藤崎は、「『非常にもったいなかったな』と思います」と口を開きつつ、「勝負所とかゲーム展開とかを読みながら、その時の状況に応じたプレーをちゃんとやればここまで来れることがわかったので、さらに決勝に行くとか、一番上に立つなら、もっと質を上げないといけないし、もっと武器になる要素を上げないと、とは感じました」とも続ける。この景色を体感したからこそ気付いた想いを、いつものように柔らかく、丁寧に話してくれた。

 大会序盤の話題をさらい、準々決勝まで進出した同じ九州勢の鳥栖U-18について問われても、やはり率直な表現が並ぶ。「鳥栖は個の力で一番でもおかしくないぐらいだったと思うんです。それはウチの選手自身が感じていたでしょうから、僕は必要以上にそこは煽っていないですけど、『やるなら一番上でやろうよ』『先に負けることだけはないよ』という話はしましたけどね」。

 近年における鳥栖のアカデミーの目覚ましい躍進は、福岡のアカデミーにも確実に好影響をもたらしている。「鳥栖がU-15で日本一に2回もなってくれて、僕らはどうしても“先に走っていた感”を選手たちもクラブも持っていたのが、『アレ?引っ繰り返っているぞ』と気付かされましたし、九州勢にとって経験を積みに行く場だった全国は、逆に『結果を出しに行く舞台なんだな』と僕らも選手たちも感じたので、凄く良いライバル関係になっているなとは感じますね」(藤崎)。それでも九州勢として、大会初のベスト4を福岡U-18が成し遂げたことは、『先に走っていた』彼らの意地を感じずにいられない。

「福岡に残っている他のカテゴリーのコーチたちが『U-15の選手たちが凄くこの結果に刺激を受けていますよ』と報告してくれていたので、『じゃあもっと上に行こうよ』という話にもなりましたし、実は今日社長も来ていて、『トップだけじゃなくて、アカデミーまで含めて全体で上に行くんだよ』という気概が今はクラブにあるので、それも感じてこういう結果に繋がったんじゃないかなと思いますけどね」と笑顔を見せた藤崎も、5シーズンに渡ってトップでプレーした経験を持ち、引退後もアカデミースタッフを務めてきただけに、このクラブを取り巻く環境に到来しつつある“流れ”を逃したくない雰囲気は、言葉の端々から窺えた。

 実は藤崎は鹿児島実高で名将・松澤隆司監督の薫陶を受けている。取材の終盤。そのことに水を向けられると、鍛え抜かれた薩摩隼人の顔が覗く。「その要素が僕に残っているんでしょうね。ゲームを見ていても、『もう一歩行けるだろ!』とか『最後の所は体張れるだろ!』というのはやっぱりあるので(笑) でも、本当にそういう部分じゃないかなと。1対1を剥がし切って、ちゃんと決め切った清水と、そこに付いていけなかったウチと、という所なので、そこは鍛えようと思っています」。記憶に残る“夏の始まり”を過ごした福岡U-18の選手たちが、藤崎にどこまで追い込まれて“夏の終わり”を迎えるのかは、きっと後半戦のプレミアのピッチへ如実に反映されていることだろう。

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