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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:敗れざる者たちの明日(山口U-18・中山元気監督、福岡U-18・藤崎義孝監督、大宮ユース・村田耀)

ゲキサカ / 2018年8月10日 8時30分

 8月1日。日本クラブユース選手権U-18大会決勝。準々決勝の鳥栖U-18戦では2点差を引っ繰り返して、準決勝の広島ユース戦でも後半アディショナルタイムに追い付き、延長後半アディショナルタイムに勝ち越して、ドラマチックにファイナルまで駆け上がってきた大宮ユース。しかし、初の日本一を目指すチームは決勝の前半、守護神の村田耀も「自分たちの入りが本当にひどかったです」と悔やんだようにギアが上がらず、12分で早くも清水ユースに先制されてしまう。

 さらに、前半終了間際にも2失点目。「ハーフタイムに自分たちで喝を入れたんですけど、その時では遅かったなと思います」とは村田。後半は惜しいシーンも創り出したものの、最後まで相手のゴールを陥れることはできず、0-2でタイムアップを迎える。準々決勝、準決勝に続く3度目の“奇跡”には手の届かなかったオレンジ軍団。ミックスゾーンに現れた村田も、「自分があのピンチを止めていれば、チームの流れは変わっていたんじゃないかなと思うし、このトーナメントは1回戦以外の試合で全部2失点して、結局フィールドのみんなに助けてもらっていたので、本当に悔しいです」と唇を噛んだ。

 その村田が大いに脚光を浴びたのは準決勝の広島ユース戦。前述した後半のアディショナルタイム。1点をリードされた状況でのラストプレー。その直前にもあったコーナーキックを「少しでも上がりたくて1回コーチに聞いたんですけど、ちょっと… 拒否られちゃって(笑)」と苦笑して明かしたゴールキーパーは、2度目のコーナーキックのチャンスで上がっていくことを許される。

 すると、高柳郁弥の蹴ったボールはバウンドして村田の足元へ。放ったシュートは相手のゴールキーパーに弾かれたものの、再び戻ってきたボールを夢中で蹴り込むと、目の前のゴールネットが揺れる。「1回シュートを放って、正面で弾かれた時に『持ってないな』と思ったんですけど、最終的に持ってましたね」と笑う村田の“左足”による劇的な同点弾。あまりのことに自らもゴール直後は「もう興奮しちゃって、『どこ回ってるんだろう?』って思っちゃって(笑)」と誰もいない方向をフラフラ彷徨ったのはご愛敬。歴史に残るゴールキーパーの“左足”による得点は、多くの人の記憶にも残るスーパーな一撃だった。

 それから2日後。改めてそのことを聞いてみると、「自分でも『本当に自分が決めたのか』という想いがありますし、『少しでもチームを救いたい』という気持ちが繋がったのかなと思っています。でも、やっぱり決められるとは思わなかったですね」。話していく内に少しずつであるが、表情に明るさが戻ってくる。

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