6発中4発が利き足と反対の左足弾。ブラサカ日本代表・黒田に見る「けがの功名」

ゲキサカ / 2018年9月18日 16時23分

黒田智成は大けがを肥やしに成長してきた

 ブラインドサッカー日本代表の黒田智成は16日、たまハッサーズの一員として東日本リーグDerrot Saber 茨城戦に挑み、4ゴールをあげる大活躍。チームの快勝に貢献した。2試合連続ゴールを決めた黒田はリーグ戦で早くも通算6点。内訳は左足4点、右足で2点決めた。

「利き足は右なんです。2011年の練習中に右ひざの前十字靭帯を断裂して右足でけれない時期があって、その時に左足でける練習をしたのが転機でした。最近では左のシュートのほうが入るようになった。今度はもうちょっと右足でも頑張りたい」

 黒田は笑いながら振り返ったが、けがをした時期は、あまり思い出したくない悪夢だ。負傷したのは、ロンドンパラリンピック出場権がかかった2011年のアジア選手権(仙台大会)のわずか2か月前。完治には手術しかなかったが、メスを入れたら1年間はプレーできなくなる。当時からすでに日本代表のエースだった黒田を欠くことは、チームにとっても考えられない。ましてや、黒田自身にも手術の選択肢はなく、右ひざの負傷を抱えながらもプレーを続けた。

黒田が取材の時に発する言葉はいつも明確だ

 アジア選手権でロンドンパラリンピックの出場を逃した後に手術。そこから約1年間は本格的なサッカーはできなかった。手術した右足への恐怖感が抜けず、ボールを蹴る練習も左足から再開。そこで自分の持っていた左足のパワーに気づいたのだ。

「どちらかの足だけだとGKも予測しやすくなってしまう。どちらからでも打てるように、インステップでもトゥーでも打てるようにしたい。(相手の)目先を変えていったほうが可能性は広がりますから」
 
 この日のゴール量産で、”ブラサカの澤穂希”こと、埼玉T.Wingsの菊島宙に1差に迫った。高校生の菊島が、中学の社会科教師の黒田に直接教わることはないが、ともに八王子盲学校に通う「心の師弟」。師匠はこれからもゴール量産で、弟子に手本を見せ続けるつもりだ。

(取材・文 林健太郎)
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