[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:Here Comes The Sun(FC東京U-18・芳賀日陽)
ゲキサカ / 2018年10月19日 16時34分
「夏前までは1、2年生が主体で出ていることが多くて、3年生も自分だけじゃなくて悔しい想いをしていた」と話した芳賀の名前も、第6節以降はJ3との兼ね合いもある中で、スタメンのリストから消える。この頃の彼を佐藤監督はこう見ていた。「良くない時はハーフタイムもずっと1点を見つめていたり、ちょっと本人の中で自信とか流れをなかなか掴めなくて、悶々としていた時間が長かったとは思うんですけどね」。10番を背負った芳賀にとって、チームと共に苦しい日々が続いていたことは間違いない。
7月。真夏のクラブユース選手権は、都内へと帰還することなく群馬の地で幕を下ろす。アビスパ福岡U-18と対峙したラウンド16。ベンチスタートだった芳賀が途中交替で登場したのは後半17分。しかし、1点のビハインドを追い付くことはできず、3連覇の夢は儚く散った。「今まで凄い先輩たちが、凄い結果を残してきていたのに、『これが自分たちの実力なんだな』って示された大会でした」。既に3年生のスタメンは、片手で数え切れる程に減っていた。
西が丘のメインスタンド。芳賀は観客席の一番端に座り、1人でピッチを見つめていた。4日前に対峙した福岡U-18と清水エスパルスユースのクラブユース選手権準決勝。「家が近いですし、サッカーが好きだから、ただ見に行った感じです」という言葉に真意が覆い隠される。
しかもこの日は、芳賀にとって18度目の誕生日。「自分が理想として思い描いていたのは、誕生日に西が丘で点を決めて、“シャー”をやっている所だったんですけどね」。理想と現実は著しく乖離していた。「実際に試合を見ていて悔しかったですけど、下を向いていても意味がないので、試合を見た後に1人でサッカーをしに行って、ずっと壁とボールを蹴っていました」。認めざるを得なかった。ピッチではなく、スタンドにいた自分を。大観衆の中ではなく、1人でボールを蹴っている自分を。ただ、この無心の“壁当て”はわずかではあるものの、下を向きがちだった彼の目線を上げる。ようやく芳賀の中で何かが変わり始めていく。
9月。1か月前にはスタンドから眺めていた西が丘のピッチに立ち、J3で初めてスタメンフル出場を果たした次の週。やはりJ3のアウェイゲームで富山に帯同し、28分間プレーした翌日のプレミアEAST第11節。ベンチスタートだった芳賀は、1点ビハインドの後半23分に小平のグラウンドへ解き放たれると、積極的なプレーで青赤を活性化させる。すると残り5分というタイミングで、エリア内に侵入した10番に磐田U-18のDFがたまらずファウル。ホームチームにPKが与えられる。
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