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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:Here Comes The Sun(FC東京U-18・芳賀日陽)

ゲキサカ / 2018年10月19日 16時34分

 迷わず自らスポットへ向かう。淀みない助走からゴールネットを揺らした瞬間。思わず右の拳を突き出す。「結果も出せていなかったので、アレでちょっと結果を出せて、勝てなかったんですけど、やっとチームに貢献できました」。残留争いのライバルと勝ち点1を分け合うことになる貴重な一撃。この前後から「“上手い所”を前提じゃなくて、“戦う所”を前提にした」芳賀のプレーには、執念のような気持ちが明確に現れるようになっていた。

 それでも現実のシナリオは、さらなる試練を用意する。プレミアEASTで8試合ぶりにスタメン起用された、第13節の鹿島アントラーズユース戦。首位を独走する相手に先制を許す展開の中、後半23分にやや不運な格好で、この日2枚目のイエローカードとレッドカードを提示される。

 納得は行かなかったものの、もちろん判定には従わざるを得ない。結局チームは0-1で敗戦。「正直言って負けた原因は俺なので」責任を痛感していたが、佐藤監督もスタッフも決してそのことを咎めようとはしなかったという。この気遣いを意気に感じないはずはない。「『いつかは俺がチームを助けてやらないとな』という気持ちはあります」と芳賀。強い想いを胸に秘め、リーグ戦が中断に入ったタイミングで、シーズン最後のトーナメントがやってくる。

 10月13日。Jユースカップ1回戦。ジェフユナイテッド千葉U-18を慣れ親しんだ小平に迎える一戦。スタメンには寺山翼、鈴木智也、芳賀と3人の18歳が起用される。実はこの試合の3日前。3年生だけで集まる機会が設けられた。「もう試合も残り少ないので、3年生が主体となって、練習からも意識を高く取り組むこと」を確認し合う。彼ら最上級生にとっては1つ1つの試合や練習が、そのままカウントダウンと重なっていく。今を全力でやり切るしかない。

 ゲームは前半から激しく動く。12分にバングーナガンデ佳史扶のCKから、沼田航征のボレーが決まり、2年生コンビで先制点を奪うも、13分と19分に続けて失点して逆転を許す。44分にはここもバングーナガンデのCKを、木村誠二がヘディングで叩き込み、再び2年生コンビで同点に追い付くと、後半はFC東京U-18が押し込むものの、決定的なシーンは創り切れない。90分間を終えて、スコアは2-2。勝敗の行方は前後半10分ずつの延長戦に委ねられる。

 延長前半10分。“3年生トリオ”が千載一遇のチャンスを創り出す。寺山のパスから鈴木がクロスを上げると、延長に入ってサイドハーフからボランチへスライドしていた芳賀が、「前が空いていたので行ってやろうと思って」3列目から猛然と飛び込んできたが、シュートは打ち切れない。直後。ピッチに倒れ込む。

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