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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:オレたちの“応援リーダー”(駒澤大高・小林慎治)

ゲキサカ / 2018年10月30日 21時28分

インターハイ予選ではゴールも決めている駒澤大高DF小林慎治。今、彼は与えられた場所でチームを全力でサポートしている

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 すんなりと受け入れられた訳じゃない。今だって割り切れない想いはずっと抱えている。でも、自分の果たすべき役割はまっとうしたい。それが3年間のすべてを注ぎ込んできたチームの、3年間を共に過ごしてきたみんなのためになるのなら。「自分に与えられた環境でしっかりやって、応援の時はチームが勝てるように応援して、もし試合に出たら自分が活躍できるようにやっていきたいと思います」。200人を優に超える駒澤大高の大応援団を束ねている小林慎治(3年)は、その場所がスタンドでもピッチでも、常に100パーセントの“温度”で自分と向き合っている。

 2年生だった昨年から、Aチームの一員として公式戦に絡んできた。今年もT1(東京都1部)リーグを主戦場にプレーし、総体予選ではゴールも記録している。最上級生として迎える最後の選手権。2年ぶりの全国を狙うチームのピースとして、自らが担える役割を見つめ直していた。だが、10月から始まる東京都予選へ臨むメンバーリストの中に、小林慎治の名前は見当たらない。「大事な試合の時に、自分のコンディションの調整不足であまり良いプレーができなくて、それで落とされてしまいました」。多少の入れ替えはあるとは言われたものの、彼がピッチに立つ可能性はその時点でひとまずなくなってしまった。

 数日後。今までとは懸ける想いの違った大会への出場が叶わなくなり、言うまでもなくショックを受けていた小林の携帯電話が鳴る。待ち受け画面に浮かんだのはヘッドコーチを務める亀田雄人先生の文字。「何だろう?」と思って出てみると、意外な提案を聞かされる。「シンジに“応援リーダー”をやって欲しい」。駒澤大高のサッカー部員は242人。単純計算でも200人近いメンバーは応援団へ回ることになる。それをまとめる役割は容易ではない。ただ、「スタッフの満場一致で『アイツしかいない』って。もう人間的に凄い子で、それが滲み出てるじゃないですか。だから、『やっぱりこの応援団をまとめられるのは彼しかいないだろう』ということで電話しました」と亀田コーチ。この言葉からも、スタッフの圧倒的な信頼感が窺える。

 もちろん逡巡がなかったはずがない。それでも、チームのことを第一に考え、「自分が一生懸命頑張るしかないと」覚悟を決めた。亀田コーチは学校で改めて“応援リーダー”就任の打診をした時のことを、こう振り返る。「そのあたりが『シンジらしいな』って思いましたけど、ふてくされたりとか微妙な顔もせず、『任せてください』って感じでしたね」。かくして小林は駒澤大高の“新・応援リーダー”の大役を引き受けることとなった。

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