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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:“2番目”に最高の思い出(都立国分寺高)

ゲキサカ / 2018年11月13日 15時12分

都立国分寺高は青空の下、西が丘のピッチを全力で走り抜いた

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 きっと忘れない。この日の芝生の匂いを。きっと忘れない。この日のベンチの感触を。きっと忘れない。この日のスタンドから見た景色を。「僕がいつも言っていることは『楽しもう』って。それが一番大事だと思っているので、今日は楽しかったですし、結果は勝てなかったですけど、3年間一生懸命やってきたことは本当に幸せだと思います」。そう言って、キャプテンの栗原龍信郎は笑顔を見せる。目指し続けてきた『西が丘』のピッチで、ベンチで、そしてスタンドで、都立国分寺高48期の高校サッカーはその幕を下ろした。

 2017年10月。清瀬内山運動公園サッカーグラウンド。選手権の都大会2次予選初戦で東京実高に敗れ、国分寺の47期は引退の時を迎える。「2年で出させてもらっていて、『もっと絶対できたのに』というのがあって、本当に悔いしかなかったです」と石原大地はその試合を振り返る。「去年の方が能力の高い子はたくさんいたんですよね」とはチームを率いる元木明監督。選手権予選を勝ち上がるのは簡単なことではない。頼れる先輩たちが抜ける不安と、自分たちがどこまでできるのかという期待。相反する気持ちを携えて、48期にとって最後の1年間はスタートした。

 もともと『西が丘から全国へ』を大目標に置いていたものの、新チームの立ち上げに際し、彼らは改めて『西が丘へ』という目標を掲げる。ただ、栗原が「もちろん目指してはいたんですけど、目標は目標であって、そんなにイメージは湧かなかったです」と話せば、石原も「正直に言っちゃうと、あまり『西が丘』を想像はしていなかったです」と明かす。その時の国分寺は、そういう立ち位置だったのだ。

 新チーム初の公式戦となったT3(東京都3部)リーグの順位決定戦を経て、初めての大会となる新人戦は3つの白星を重ね、創価高との準決勝に挑む。しかし、勝てば翌春の関東大会予選に出場できる大事なゲームで、2点を先制したにも関わらず、まさかの3失点を喫して逆転負け。翌日にクリスマスイブを控えた彼らは、新しい年へ向けた自分たちへのプレゼントを掴み損ねることになる。

 明けて2018年。48期にとっての高校ラストイヤー。「春先は割と良いサッカーをしていましたし、『そんなに悪くはないだろう』と思っていました」(石原)「今年のチームはコレといった特徴のある選手はいないんですけど、全員攻撃、全員守備が非常に良く徹底されていたので、手応えはありました」(元木監督)。冬場の厳しいトレーニングにも耐え、練習試合で実戦感覚を養いながら、チームをじっくりと創り上げていく。4月3日のT3リーグ開幕戦は、かえつ有明高と打ち合い、最後は3-3のドロー決着。悪くない感触も手にしていた。ところが、その後の彼らを待っていたのは大きな失望だった。

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