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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:“2番目”に最高の思い出(都立国分寺高)

ゲキサカ / 2018年11月13日 15時12分

 2次予選の幕が上がる。初戦の都立立川高戦を延長の末に3-2で制すると、2回戦の相手は近年の都立勢で最も結果を残している都立東久留米総合高だったが、劣勢が予想されたゲームも「相手のシュートがポストに当たったりとか、運もあって」(小松)1-0で勝ってしまう。「1次予選が終わってそこからグッと伸びましたね」と口にしたのは元木監督。こうなると、おのずとチームの雰囲気もまとまってくる。「ミーティングでもいつも話さない人とかも積極的に話して、みんなでみんなを支え合って頑張っていました」と小松も嬉しそうに笑ってみせる。

 彼らの“目標”に王手を懸けた準々決勝。「正直『オレらなら行けるかな』とは思っていました」という石原の予感は現実のものとなる。2度の全国出場を誇る都立駒場高を2-0で撃破。「能力的に言えばもっともっと高い子たちのいた代はいくらでもありました。でも、彼らは自分たちの力を少しずつ、少しずつ伸ばしていって、この結果が出たんじゃないかなと思っています」(元木監督)。苦しんで、もがいて。「上手い選手とかいなくて、『この人に頼ればイケる』みたいな、そういうのもなかった」(栗原)48期は、半年前には遠く霞んでいた“憧れのピッチ”を、確かな集団の成長と共に力強く手繰り寄せる。『西が丘へ』。みんなで“目標”を掲げた日からは、ちょうど1年が経っていた。

 11月10日。緑のユニフォームを纏った選手たちが、『西が丘』のピッチへ歩みを進めていくと、バックスタンドの北側は緑一色に染まっていた。「授業はあったんですけど、まあ自己責任でこっちに来た子とか(笑)、授業が終わってから駆けつけてくれた子とか、OBも全部で200人くらい来てくれたんですかね」と元木監督。応援席にとっても晴れの舞台。自然と気合も入る。「一番凄かったのは応援ですね。あの応援があったから、変に浮き足立たずにできたので、とにかく感謝です」(石原)。あと一歩。あと半歩。スタンドにこだまする緑の声援が、選手の足を衝き動かしていく。

「正直試合が終わった瞬間は何もなくて、『とりあえず高校サッカー終わった』って感じしかなかったです」と栗原はその時を表現する。0-2。後半24分と32分に失点を許し、国士舘高がファイナルへの切符を獲得した。「率直に言えば、やりきった所もあるし、悔しさもあるし、という感じですけど、後悔はそんなにないです」とは石原。負けた悔しさがないと言ったら嘘になる。でも、“憧れのピッチ”に立てた喜びもまた確かな感覚として残っている。「負けた悔しさはあるんですけれども、彼らが『西が丘に行こう』という目標を作って、それをやり遂げたことに凄く満足していますし、感謝しています。やっぱり勝ち上がるのがこの大会ですので、それじゃいけないのかもしれないですけど、このメンバーでここまでやれたのは本当に評価して良いんじゃないかと思います」。教え子の奮闘を称える元木監督の顔も晴れやかだった。

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