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ウエーブカップの復刻から紐解くミズノの革新スパイクの系譜とは…

ゲキサカ / 2018年11月23日 19時0分

――リバウド選手と一緒に開発を進めていった中で印象に残っていることはありますか?
「まずオーラがすごかったです。私は今まで数々のトップアスリートと接してきましたが、リバウド選手は飛び抜けてすごいオーラを放っていました。もちろん小学校からずっとサッカーを続けていて、彼のすごさを理解しているということも作用していたと思いますが、とにかく本人にお会いしたときのインパクトは今でも鮮明に覚えています。目力の強さ、瞳の中の奥深さ、風貌、しぐさ、そのすべてから超一流のオーラが漂っていました。そして、2002年のワールドカップに向けて『あなたと一緒に新しいスパイクを開発していきたい』という旨を伝えると、リバウド選手は真っ先に『それは必要ない」と言いました。彼は当時履いていた『モレリア2』を相当気に入っていて、『モレリア2は申し分ない理想のスパイクです」と私に言ってきたのです。正直焦りましたよ、そのときは。しかし、必死に説得を試みて足型を計測したり、運動データを解析したり、『ウエーブカップ』の機能性やコンセプトなどをプレゼンして、なんとかリバウド選手に理解してもらって、『ウエーブカップ』の開発スタートにこぎつけました。

 彼からのリクエストとしては『モレリア2』よりもさらに軽くしてほしいということを言われていたので、まずは軽量性を最優先しました。そして、1997年にミズノ社が開発した”ミズノウエーブ”という機能をサッカースパイクに初搭載することにもチャレンジしました。90分以上に渡って激しく動き回るサッカーというスポーツにおいて、クッション性や足への負担軽減は重要な要素ですが、単純に足がフワフワするようなクッショニング性能ではプレー中に左右へのブレやグラつきが発生してしまいます。クッション性と安定性を同時に実現することを追い求めたとき、ミズノウエーブという機能が最適解だという結論に達しました。当初の構想からミズノウエーブありきで開発をスタートさせましたが、実際に開発を進めていく中で、当時のテクノロジーではミズノウエーブ以外でこのクッション性と安定性を同時に実現することは不可能だったのです。あとは出足の一歩のハイトラクション、あらゆる動作の中でも優れたグリップ性を発揮するということも重要視しました。“軽量”“ミズノウエーブ”“優れたグリップ”。この3つの要素をウエーブカップの主要ポイントとし、リバウド選手とともに開発を進めていきました。

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