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ウエーブカップの復刻から紐解くミズノの革新スパイクの系譜とは…

ゲキサカ / 2018年11月23日 19時0分

 このとき、二人三脚での『ウエーブカップ』開発に用いた手法は“データシャワーコンセプト”です。1996年にミズノが採用した開発手法で、選手の運動データを計測し、その解析データをまるでシャワーのようにシューズに浴びせて何度も改良を施し、それらのデータを元にして選手に機能や設計を提案していきながら選手にヒアリングして何度も設計や機能を見直すことで製品化に繋げていく“実験、解析、設計”のプロセスが“データシャワーコンセプト”です。サッカースパイクでは『ウエーブカップ』で初めてこの“データシャワーコンセプト”という手法を採用しました。例えば、やり投げの競技用シューズを開発するときには、3つの動作がポイントになります。助走するとき、ステップを踏むとき、最後に踏ん張るとき。この3つの動作それぞれが大事で、3種類の動作すべてで高いパフォーマンスを発揮するシューズを作らなければいけません。助走をする動作のときだけ優れていて、踏ん張るときの動作はたいしたことないシューズではダメです。それはサッカーも一緒で、ボールを蹴る動作、走る動作、止まる動作、ステップの動作、ジャンプの動作など、さまざまな動きを高いレベルでこなすことができるスパイクを開発するために“データシャワーコンセプト”の手法を用います。サッカーのあらゆる動作における足の動き、足圧、どういう風に足が着地しているかなどの動作データを100分の1秒ごとに計測、そのデータを解析して、さまざまな動作のバランスや因果関係も加味しながらそのデータを設計に反映させていき、軽くてミズノウエーブ搭載で優れたグリップ性も発揮するという3つの要素をもたらす独自のソールプレート設計、スタッド形状、スタッドの位置、スタッドの向き、スタッドの本数を導き出していったのです」

――リバウド選手が『ウエーブカップ』を履いたときの感想は?
「プロトタイプ(試作品)をバルセロナへ持っていってリバウド選手に試してもらい、フィードバックをもらってさらに軽くしてほしいという無理難題をリクエストされました。耐久性を確保しながらさらに軽くするというのは非常に難しい作業でしたが、改めて一から各パーツを見直し、極限まで薄くして、徹底的に無駄を省いて最終的には27.5cmで片足200gの軽さを実現することができました。リバウド選手が完成品を手に持った瞬間、満面の笑みで「オッケー!」と言ってくれたときは安堵しましたよ。「小回りの利くフェラーリのようなスパイクだ」と表現してくれたときは嬉しかったです。

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