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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:同志(清水エスパルスユース・天野友心、梅田透吾)

ゲキサカ / 2018年12月17日 18時41分

 平岡監督に天野と梅田の関係性を尋ねると、少し考えてからこういう言葉が返ってきた。「“同志”ですね、良い時も悪い時もお互いが認め合ってやっているので、天野にしても透吾が出てきた時は認めて、天野が出ている時には透吾も納得していますし、本当に良いライバルとして、“同志”として、切磋琢磨できていた6年間だったと思います」。確かに“同志”は彼らにぴったりのフレーズである。また、それと同時に、初めての試みにトライしたことで多くを学んだという平岡監督も、あるいは天野と梅田へ“同志”に似た感情を抱いていたのかもしれない。

 改めて、梅田について聞いてみる。「6年間一緒にやってきて、その中で一番心にあるのは、『透吾で良かったな』というのが本当にあって、やっぱり『コイツは上手いな』と思わされるのは透吾でしたし、一緒にやっていて盗むものもあったり、気付かされる部分もあって、本当に自分がここまで成長できたのは透吾がいたからかなと凄く思います。私生活でもサッカー面でも一緒にいることが多くて、何でも相談できましたし、一番頼りがいがあるヤツでした」。

 改めて、天野について聞いてみる。「自分は『コイツに負けたくない!』という気持ちが強い方ではなくて、『コイツになら負けてもしょうがない』というのは基本的にあまり良くないとは思うんですけど、天野はちょっとそう思っちゃうぐらいの人間だったので、ライバルというよりは、仲間という気持ちが強かったと思います。アイツがいなかったらサッカーをやめているかもしれないですし、エスパルスに来てやっていないかもしれないですし、本当に天野と一緒にやれて良かったという感謝の気持ちでいっぱいです」。

 彼らの“6年間”が持つ意味に、つい周囲はいろいろな要素を付け足してしまいがちだ。でも、その真実は彼らにしかわからないし、それで2人にとっては十分なのだろう。天野と梅田だから、“6年間”が実現した。天野と梅田だから、“6年間”に輪郭がくっきりと刻まれた。本人たちにもこの関係がどんなに大事で、どんなに特別なものなのかを、今よりもっと強く実感する日がきっと来る。

 最後に天野がそっと教えてくれた。「これからは自分が目標にしている選手を聞かれた時は、必ず“梅田透吾”と答えようかなと思っています。やっぱり透吾を倒したいですし、ここからの4年間で地道に努力してプロになって、『相手のキーパー同士として勝負できたらな』という想いはあります。一緒に戦ったらアイツを負かしてやりたいですね」。

 ゴールキーパーというたった1つのポジションで競い合ってきた天野友心と梅田透吾。彼らが紡いできた“6年間”に大きな拍手を送りつつ、彼らの未来がオレンジ色に負けないくらい、よりカラフルな希望に彩られたものとなることを強く願っている。

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」
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SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史

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