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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:エクストラ・タイム(駒澤大学・須藤皓生)

ゲキサカ / 2019年1月1日 21時0分

駒澤大CB須藤皓生(右)が法政大FW上田綺世と競り合う

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 悔しくない訳はない。苦楽を共にしてきた仲間と、日本一になりたかった想いは当然ある。でも、どこかで清々しいくらいにやり切った感覚も身体を包んでいた。「大学では仲間のためにというか、『自分はどんな姿でもいいからチームのために何とかしたい』と思えるようになったので、そういう所はこれから社会に出ても、辛い時に自分のことだけじゃなくて、他の人のことを思えるようになったんじゃないかなと。それを今後に生かしていければと思いますし、自信を持って社会に出ていけるモノを手にした4年間だったと思います」。須藤皓生は得難い経験を重ねてきた大事な“エクストラ・タイム”の思い出と自信を胸に、新たな人生のスタートを歩み出す。

 12月22日。全日本大学サッカー選手権大会決勝。8年ぶりに全国の舞台へ帰ってきた駒澤大学は、同じ関東代表の法政大学とのタイトルを懸けたラストマッチを迎える。ファイナル自体が12年ぶり、優勝すればやはり12年ぶりという大事な一戦。このゲームに臨む駒澤のスタメン用紙には、須藤皓生の名前が書き込まれていた。

「去年はセンターバックで、今年はサイドバックをやっていたんですけど、今シーズンの序盤は本当に何もできなくて、存在意義を自分の中で見い出せなくて… やっとインカレぐらいでちょっとやれるようになってきたかなぐらいの感じでした」と話す須藤は、初戦と準々決勝こそ右サイドバックとしてフル出場を果たしたものの、準決勝はベンチからチームが勝利を収める光景を見守ることになる。

 ところが、気合のディフェンスを披露し続けてきた4年生センターバックの伊勢渉が、その準決勝で大会2枚目のイエローカードを提示され、ファイナルの欠場を余儀なくされる。気まぐれなサッカーの女神と大学サッカー界指折りの名将として知られる秋田浩一監督が、最後の最後で用意してくれた本職のポジション。「『こういう運命だったのかな』と思って」、ディフェンスラインの中央でキックオフのホイッスルを待つ。そんな須藤は、そもそも大学でサッカーを続けるつもりのない選手だった。

 時計の針を2014年まで巻き戻す。総体予選で東京の頂点に立ち、初めて夏の全国出場を勝ち獲った駒澤大高は、キャプテンを託されていた須藤や鈴木隆作、幸野高士、安藤丈など結果的に大学でも4年間を共有するタレントも揃い、いわゆる“第1シード”として選手権予選へ向かうと、初戦は7-0の大勝。圧倒的な力を見せ付けて準々決勝へ勝ち上がる。

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