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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:一家団欒(長崎総科大附高・一倉加偉、一倉李基)

ゲキサカ / 2019年1月3日 7時24分

長崎総合科学大附高のDF一倉加偉(右)とMF一倉李基が初戦突破に貢献した。(写真協力=高校サッカー年鑑)

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 示し合わせた訳ではないにもかかわらず、お互いの口からはまず家族への感謝が滲み出る。「親に結構な負担や迷惑を掛けているので、李基とは『絶対恩返しするぞ』って話し合っていました」「親孝行したいと思ってこの大会に挑んでいますし、加偉と2人で試合に出て、1試合1試合勝っていくことが恩返しになると思ってます」。遠い群馬から長崎の地へ飛び込んで3年。一倉加偉と一倉李基は今、少しでも多くの“恩返し”を家族へ届けるため、約束の舞台に立っている。

 1月2日。静岡県代表の浜松開誠館高と対峙する初戦。3年連続となる冬の全国を戦う長崎総合科学大附高の白と黒が均等にあしらわれたユニフォームへ身を包み、6番と20番がNACK5スタジアム大宮のピッチへ歩みを進めていく。

 6番は左サイドバックを務める一倉加偉。20番はドイスボランチの一角を託された一倉李基。名字を確認するまでもなく、瓜二つの顔に、チームを率いる小嶺忠敏監督も「オレがやらせたように思われるから、『やめてくれよ』って言ったんだけどね」と笑うお揃いの坊主頭で察しが付く。「2人で『絶対勝つぞ』という話はしていました」と話す加偉が兄、李基が弟。誕生日はどちらも2000年4月14日。彼らは双子の兄弟だ。

 もともとは群馬の出身。県内の3種でも好選手を輩出する前橋FCでプレーしていたが、ある日の試合会場で見知らぬ大人から声を掛けられる。「『双子ちゃーん!』って急に来て、肩組まれて『ウチに来てみない?』みたいな感じだったんです(笑)」と、その時を振り返ったのは加偉。「『ちょっと怪しいな』と思いました」と李基も笑いながら明かしてくれる。実はその“ちょっと怪しい”方こそが、2人の実力に目を付けた長崎総科大附の関係者だった。

 1つ上の先輩も進学していたとはいえ、群馬から長崎はあまりにも遠い。寝耳に水のオファーだったが、最終的には「いろいろ考えたんですけど、やっぱり自分を鍛えたかったので、小嶺先生に教えてもらいたいと思いました」(加偉)「『小嶺先生の元でサッカーをしたい』という気持ちがありました」(李基)と2人が声を揃えた通り、高校サッカー界の伝説的な名将に指導してもらいたい想いが募っていく。2016年、春。加偉と李基は長崎の地へ移り住み、3年間の高校生活をスタートさせた。

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