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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:Fly Me to the Moon(ファジアーノ岡山U-18・金田飛鳥)

ゲキサカ / 2019年3月20日 17時28分

 改めて固めた覚悟が、少しずつ今を変えていく。「優しくしてくれる先輩がアドバイスとかしてくれて、それでだんだん楽しくなってきたというか、逆に失敗し過ぎて失うものがないみたいな。1年生の時に言われ過ぎていたので、もう言われても何も思わないというか。本当はそれじゃあダメだと思うんですけど(笑)」。

 2年に進級すると、公式戦の出場機会も増えていく。プリンスリーグでもシーズン中盤から起用され始め、スーパーサブ的なポジションを確立。「最後にどうしても点が取りたい時に、ポンと入れると決めるんで」と服部監督も言及したように、リーグ戦で記録した3つのゴールはいずれも後半40分以降に生まれたもの。「ちょっとずつ自信が付いてきた感じです」と本人が話せば、共に3トップを組む盟友であり、今年のチームのキャプテンを務める山田恭也も「最初は全然だったんですけど、もう普通にやってくれているので、凄く頼りがいのあるフォワードですね」と信頼を寄せるあたりに、如実な立ち位置の変化が窺える。

 イギョラ杯3日目。4試合で12得点13失点と、出入りの激しいゲームを繰り広げたファジアーノは3位トーナメントに回る。相手は昨年度の全国総体で準優勝に輝いた桐光学園高。エースの西川潤こそ不在ではあるものの、確実に今年度も全国上位を狙い得るチームを相手に、前半から挑んだのは真っ向勝負。4分に山田のゴールで先制すると、24分と28分にも中田樹音が続けて決定機を創出。ところが、この2つを決め切れなかった直後に失点を許し、1-1のタイスコアで後半へ折り返す。

 眠っていたストライカーが突如として目覚める。8分。前日の昌平高戦は0-5で大敗し、「何もできなくて全然ダメだったし、それがちょっとショックで、『今日は取ろう』と思っていた」金田に、この試合で初めてやってきたチャンス。右サイドを駆け上がった現田歩夢が、山田とのワンツーを経てから短く付けると、13番は右足一閃。左ポストの内側を叩いたボールは、そのままゴールネットへ転がり込む。

「枠に入れば誰かがこぼれ球とか、そんな考えで速いシュートを打ったら、たまたま入ったので…」とそのシーンを思い出す彼に、「たまたまだったの?」と水を向けると、即答で「あっ、狙いました!」と言い直す姿に笑ってしまう。自身の性格について聞いてみた所、「『何を考えているかわからない』ってよく言われますね」とのこと。「それは納得してるの?」と畳み掛けると、「はい。自分もわかりません。けど… たぶん好かれる方だと思います。たぶん」と真顔で返される。

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