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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:凱旋(ベガルタ仙台・照山颯人)

ゲキサカ / 2019年5月30日 20時7分

 2年時からセンターバックのレギュラーを掴み、最上級生になるとキャプテンも任されることに。チームの中でも絶対的な地位を築き上げていく中で、周囲からの評価もどんどん上昇していく。Jクラブの練習にも参加するまでになっていた昨年の夏ごろ。本人に話を聞いた際に、明確な自信を表現していたことが記憶に新しい。

「自分はユースに上がれなかったので、『上がったヤツらよりも成長しているんだ』という所を見せたいですし、当時はみんな上手くて、自分が負けているイメージもあったんですけど、今はそう思っていないです。競り合いでは負けない自信がありますし、足元にも結構自信があります」。10月にベガルタから照山が加入する旨のリリースが発表される。その頃に取材した際にも、力強い言葉を残していた。

「やっぱりこれから注目されることになれば、その責任があると思いますし、今までよりも自分の意識を変えてやらないと、『アレでJに入るんだ』みたいな目で見られるのは嫌なので、もっと責任感を持って、『アイツならJに入れるな』と思われるようにやっていきたいと思います」。印象は静かで確かな闘志を燃やせる男。一度は挫折を味わった照山は、杜の都でサッカー選手を職業と定めた人生を歩み出すこととなる。

 リーグ戦での出場機会はなかなか巡ってこないが、ルヴァンカップでは第1節からいきなりスタメンで登場。アウェイの鳥栖戦で後半19分まで出場し、勝ち点3の獲得に貢献すると、第2節のFC東京戦でユアスタデビューも経験。さらに第3節ではホームで古巣のレイソルを迎え撃ち、プロ入り初のフル出場を果たした上に、2-1と見事に勝利。試合後には、U-15時代に同じトレーニングを共有した先輩や後輩たちと、旧交を温める姿があったそうだ。

 5月22日。ルヴァンカップのグループステージ最終節。会場は三協フロンテア柏スタジアム。あるいは“日立台”と言い換えてもいいかもしれない。「最近はミスも結構多くて、そこは反省点なんですけど、ゲーム自体は楽しめているので、そこは良い点かなと思います」と“5試合”で積み重ねた経験を話す照山は、このゲームでも堂々とスタメンに名を連ねる。かつては毎日のように通い続けたグラウンドの横にある、憧れていた華やかな舞台。そのピッチにプロサッカー選手として初めて立ち、照山颯人は過去と未来の不思議な交錯を改めて実感していた。

 前半10分には梁勇基のFKに飛び込むも、わずかに届かず。以降は守備に軸足を置きながら、サイドのバランス維持に腐心する。プロ入り前と一番変わった部分は、守備のディテールを突き詰める意識。「高校時代は普通に感覚で守ってもやられなかったと思うんですけど、今はそういう甘さが出たらすぐやられてしまうので、守備の意識はより高まったのかなと思います」。対面の高橋峻希をケアしながら、ラインの上げ下げも怠らない。

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