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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:凱旋(ベガルタ仙台・照山颯人)

ゲキサカ / 2019年5月30日 20時7分

 渡邉はこういう言葉でルーキーへの期待を表現してくれた。「アンダー世代の日の丸という所にもどんどん推薦していきたい人材ですし、それぐらいの能力を持った選手だと思っています。彼が初めて練習参加した時から光るものがあることはわかっていましたし、実際それがちょっとずつですけど、磨かれているのは間違いありません。この6試合で、実際ゲームに出ることで、強いて挙げるとすれば一発でやられる怖さ、そういうものを身に染みて感じているんじゃないですか。そういうものをしっかりと彼が肌身で感じられることが一番の成長となるのかなと。もっともっと良いパフォーマンスができるように精進してくれればなと思います」。

 宮内は教え子へ向けて、過去を知る者ならではのメッセージを紡ぐ。「『プロの選手だから氷は運ばなくていいですよね』というような考え方が僕は嫌で、例えばホペイロの方に『ちょっとこれやりましょうか?』みたいなことが言えたらいいなと。本物のプロはそれもわかっていながら、『それはその人がやる仕事だ』という前提がある訳で、そういう過程をしっかり踏んだ上で、仙台の顔になって、日本を代表する選手になって欲しいと思いますね。ちょっとアイツは調子に乗る所があるので、そんなのが見えたらすぐ呼び付けたいなと(笑)」。

 照山の言葉にも力と熱が籠もる。「負けなしで首位通過できたことは自信になりましたけど、これからノックアウトステージでも自分が絶対に使われるようにしなきゃいけない危機感もあります。ただ、周りの選手のサポートがあっての自分で、そこはベテランの選手だったり、自分よりずっとキャリアを積んでいる選手のおかげかなと。今は手応えというより『やらないといけない』という危機感があるので、これからプロ生活は長いと思うんですけど、その中で自分の特徴を出しながらやれればいいかなと思います」。二度も口を衝いた“危機感”というフレーズに、さらなる成長の余地が滲む。挫折をバネに変える体験を得ている彼だからこそ、きっとその感情は自身を燃やすエネルギーへと昇華していくはずだ。

 これからの目標を尋ねた時、すぐ返ってきた言葉に未来を望む。「やっぱりJ1に出場しないと変わらないと思うので、J1の出場が一番の目標です」。柏発、東鷲宮経由、仙台行き。自らの進む道を、自らの足で切り拓いてきた18歳の青年は、これから向かうべき方向を煌々と照らすために必要なモノを、きっともうハッキリと手にし始めている。

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」
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SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史

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