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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:Strawberry on the Shortcake(國學院久我山高・山本航生)

ゲキサカ / 2019年6月27日 22時21分

 後半終盤に追い付かれ、突入した延長前半5分。山本献のスルーパスに抜け出した田中が折り返し、大窟陽平のシュートは相手GKに弾かれたが、そこには9番がしっかり待っていた。「こぼれ球に詰めるとか、そういう所に一番早く反応することは意識していたので、そこで取れたのも良かったですし、延長でみんな疲れている中でああいうゴールを取れたのも自分の中で大きかったと思います」。この重要な一戦でハットトリックの大活躍。もう1点を追加した國學院久我山は難敵を撃破し、沖縄行きの切符を手にしたが、その要因に覚醒したストライカーの存在があったことに疑いの余地はないだろう。

 指揮官は山本のセンターフォワード起用について、こう言及する。「航生は上手いし賢いんです。体も強いし、キックがあるので、こちらが求めているサイドからの入り方で駆け引きもできるし、いろいろなアドバイスを吸収しているなと。個人として見たら宮本の方が爆発力はあるし、富樫の方がレベルは上でしょうけど、このチームにとっては彼がセンターフォワードなのが一番良いと思います。でも、凄いですよね。大したもんだと思います。ここまでやれると思わなかったですね」。

 翌日の決勝でも大成高相手に1点を奪い、東京制覇に貢献。これでチームは公式戦15連勝を記録し、山本の連続得点も15試合まで伸びたが、本人は周囲の気遣いを敏感に感じ取っている。「みんなが取らせてくれているというか、自分が決めていない時とか周りが『航生、最後もう1本!』みたいに言ってくれて、みんながそういう雰囲気を出してくれているのもゴールが続いている要因だと思います」。

 プレッシャーを感じるかと尋ねられ、答えた言葉が頼もしい。「そういう記録に対しては『立ち向かっていかないといけないかな』とは思っていて、『プレッシャーが嫌だ』とか言っちゃったら全然ダメだと思うので、『注目されているんだったら、どんどん点を取り続けてやる』みたいな気持ちに今はなっています」。おそらく記録はいつか止まる日がくるだろう。それでも、彼が歩みを止めることは決してない。『久我山のために』。山本を衝き動かすベースは、きっといつだって変わらない。

 以前、山本はこう話していた。「そこまで理想を高くしていいのかわからないですけど、やっぱり夏彦くんとか富樫くんがいた時の代みたいなサッカーというか、それぐらい見ている人が楽しめるような、攻撃的なチームになっていければ理想なんですけどね」。彼にとっての“久我山”は、今でもあの日のたまプラーザで目に焼き付けたイメージと共にある。そして今、誰かにとっての“久我山”はきっと山本たちが披露しているサッカーのイメージと結び付く。そうやって受け継がれていくイメージが、明日のスタイルを形作っていく。

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