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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:“100人目”という通過点(前橋育英高・山田耕介監督)

ゲキサカ / 2022年2月3日 7時10分

 そして、今年。「特徴がある選手が多かったですよね。『大学に行って、みんな伸びるんだろうな』と思っていました」と山田先生も評した、この春に大学を卒業する学年の53期生は、前述の50期生に並ぶ9人のプロ選手を輩出する代となった。

 高校選手権で初めて日本一に輝いたチームで、3年生として主力を張っていた彼らは、高卒で渡邊泰基(アルビレックス新潟)と松田陸(ツエーゲン金沢)の2人がJリーガーに。角田涼太朗(筑波大→横浜F・マリノス)も昨年夏に一足早くプロ契約を結ぶと、田部井涼(法政大→横浜FC)、後藤田亘輝(青山学院大→水戸ホーリーホック)、五十嵐理人(鹿屋体育大→栃木SC)、飯島陸(法政大→ヴァンフォーレ甲府)と相次いで内定を勝ち獲っていく。

 前述した笠柳の同級生であり、ザスパクサツ群馬への入団を決めた岡本一真が“99人目”をさらうと、記念すべき“100人目”となったのは、53期生屈指のムードメーカーだった宮崎鴻(駒澤大→栃木SC)。さらに、田部井悠(早稲田大→ザスパクサツ群馬)もそのあとに続き、前橋育英出身のプロサッカー選手は現時点で101人となった。

 指導者キャリアも40年に迫り、これだけの選手たちを育成してきた山田先生に今後のプランを問うと、こういう答えが返ってきた。「もちろん毎年毎年良い選手を出したいし、良いチームを作りたい。そのための努力をし続けることが大前提ですけど、彼らがプロ選手になるとか、指導者の道に行くとか、そうなっていくことによって、大きく言うと日本のサッカーがどんどん発展していってほしいなという気持ちはどこかにありますね。それが選手たちに望むことであって、つまりはサッカーを通してしっかりとした人格が形成されていけば、人生って良いものになるじゃないですか。そういうことをやり続けていきたいと思います」。

 そう言いながら、まるで子供のような笑顔を浮かべた山田先生の言葉は続く。「ウチの女房には『アンタなんてサッカーがなかったらどうしようもないんだから』っていつも言われてますから(笑)。『アンタはサッカーがなくなったらすぐ死んじゃうから、サッカーをやりなさい』って言ってくれて。『その通りだな』と僕も言っています。だから、これからもサッカーをやり続けると思いますよ(笑)」。

 “100人目”はあくまでも通過点。不良少年たちとの格闘からスタートした前橋育英と山田先生の幸せな関係は、まだまだこれからも、ずっとずっと続いていく。

■執筆者紹介:
土屋雅史
「群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。株式会社ジェイ・スポーツ入社後は番組ディレクターや中継プロデューサーを務める。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」
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SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史

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