1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

みんなの想いが詰まった手作りの「報告会」。選手権全国4強の関東一に1か月遅れで行われた表彰式の意義と意味

ゲキサカ / 2022年2月8日 19時0分

 同じ高校生を相手に教鞭を執る高体連の先生方が、今回の事態に様々な感情を抱いていたことは想像に難くない。そんな仲間たちの意を汲み、この表彰式という機会の創出を決断した玉生先生をはじめとする高体連関係者の方々にも、敬意を表したい。

 このチームをキャプテンとして支えてきた池田は、あるいは3年間で最も成長した選手かもしれない。ピッチでの振る舞いも、人前に出て行う挨拶も、この1年は常にみんなの模範となり得るものだった。

「こういう時期にも関わらず、こういう式を開催してくれたことが本当に嬉しいです。辞退が決まってから、3,4日間ぐらいはSNSを見てもずっと関東第一の名前がありましたし、なかなか気持ちの整理ができないところはあったんですけど、1か月経った今は、逆に負けずに高校サッカーを終われたので、これで良かったなという想いもありますし、『本当に3位だったんだな』ということは今日を含めて、改めて実感しています」。

「インターハイの頃から真剣なサッカーは高校でやめると決めていて、選手権は本格的に目標を持ってサッカーをするのは最後でしたし、高校サッカー選抜の選考会にも行かせてもらえて、それが本当にサッカーの引退という感じになったんですけど、後悔というのは何1つないです」。

「今日も協会の方や学校の方々に、そして生徒の方々にこのような会を開いていただいて、本当にありがたく思いますし、SNSでも心配して下さっている方々が本当に多くいたので、その方たちには『もう自分たちは切り替えられているので、次に進んでいます』ということを伝えたいです。この悔しさは2年生が晴らしてくれると信じています。ベンチメンバーにも下級生はいっぱいいたので、もう1回国立に戻って、次こそは決勝に行ってほしいなと思います」。

 池田がこれから歩んでいく新たなチャレンジにも、彼を応援する多くの方々とともにエールを届けたい。

 誰よりも選手たちを間近で見てきた小野監督は、報告会でもずっと静かな笑顔を湛えていた。穏やかで、自己主張を好まず、サッカーと真摯に向き合うこの人のチームが、選手権という舞台であのような事態に見舞われたことには、きっと多くのサッカー仲間が心を痛めたはずだ。それでも状況を受け入れ、自分の中で消化した彼は、もうとっくに前を向いている。

小野貴裕監督の言葉を聞く選手たち

「世間から見ると今回の出来事は凄くインパクトのあることだったと思うんですけど、ああいうことはこの2年間でどこでも起きていたことですし、それはもしかすると僕も子供たちも含めて、この東京という場所で生活している中では当たり前のことだったというか、いつ自分たちがなってもおかしくないというところでやっていたので、その感覚は全国の方たちと比べると多少違ったのかなと。本当に誰を恨む気持ちもないですし、それは選手もそう思っているはずです。自分自身もあの決断に賛否両論はあったとしても、この2年間で自分がやってきたことから考えれば、妥当な判断だったのかなと思っています。でも、少し時間があったことで、子供たちも今はだいぶ整理できているというか、今改めてポジティブに物事を考えているんじゃないかなって」。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください