『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:取り戻す(三菱養和SCユース・後閑己槙)
ゲキサカ / 2024年2月21日 12時41分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
一度は“不合格”を突き付けられたチームに、あえて戻ってきたのだ。自分にできることを全力でやらない理由なんて1つもない。絶対に戻してやる。我々が居るべきステージへ。我々が誇るべき立ち位置へ。そのためにだったら、今持っている力のすべてを捧げてみせる。
「個人の目標はプリンス1部昇格で、それはチームの目標でもありますし、養和は2部にいていいクラブではないので、早く強い養和を取り戻さなくてはいけないですし、自分が養和に戻ってきた意味を結果で示さないといけないと思っています」。
街クラブの雄として知られる三菱養和SCユースを心から愛する、アグレッシブな右サイドバック。DF後閑己槙(2年=クリアージュFCジュニアユース出身)が携えている強烈な磁力は、きっとチームを進むべき方向へと導いていくはずだ。
新チームで初めて挑む公式戦となった東京都クラブユースサッカーU-17選手権の決勝リーグも、最終戦となる3試合目。2連勝を飾っている三菱養和ユースが対峙するのは、年代別代表選手も数多く揃えたFC東京U-18。19番は左腕にキャプテンマークを巻いて、ホームグラウンドのピッチへと歩みを進めていく。
「今シーズンは楠本達彦がキャプテンなんですけど、先週の試合後にインフルエンザになって、キャプテンがいないFC東京戦だったので、『アイツのためにも』という気持ちもありましたし、『自分がキャプテンマークを巻いたから負けた』とは意地でも思われたくなかったですね」。チームの副キャプテンながら、腕章を託された後閑は気合十分でキックオフを迎える。
だが、試合開始直後からすぐさま相手にペースを握られると、前半9分にはイージーミスから先制点も献上。「相手の強度、スピード、パワー、それは普段我々がやっているレベルではなかったから、選手がもう面食らっちゃったし、そこで変なミスから失点して、『ああ、まだこんなレベルなんだな』というのは立ち上がりから感じていましたね」と今季から5年ぶりにユースの指揮官に復帰した増子亘彦監督も序盤の戦いぶりを振り返る。
「見てもらってもわかる通り、FC東京さんの方が全然レベルが高いですし、1つ1つの個のところも違いますし、プロサッカー選手により近い人たちとの差をメチャメチャ見せつけられましたね」。後閑の言葉はおそらくチームの共通認識。大きな差を体感しながらも、三菱養和ユースの選手たちは少しずつそのレベルへとアジャストしていく。
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