懐かしいグラウンド。旧友との再会。米子北MF柴野惺は楽しみにしてきたエネルギーチャージも終えて勝負の1年へ向かう
ゲキサカ / 2024年3月4日 17時50分
昨シーズンは1年を通じてハイレベルなステージを経験してきたからこそ、今年の自分に求められているタスクは理解しているつもりだ。攻撃でも、守備でも、誰よりも効き続ける選手に成長してみせる。それがそのままチームに勝利をもたらすことも、もうわかっているから。
「去年は『自分もチームの支えになれたらいいな』ぐらいだったんですけど、今年は自分がやらないといけないと思っているので、自分が点を獲ったり、ゴールを守ったりしないといけないですし、大きな目標としてはプレミア、インターハイ、選手権のどれかを優勝したいと思っています」。
悲願の日本一を掲げている山陰の野武士軍団、米子北高(鳥取)を支える群馬育ちのプレーメイカー。MF柴野惺(2年=前橋FCジュニアユース出身)が攻守に発揮し続けるハイパフォーマンスは、チームの目標達成にとって絶対に欠かせない。
4月からスタートする高円宮杯プレミアリーグを控え、プレシーズンの力試しの場として開催された『プーマカップ群馬2024』。大会2日目のラストゲーム。去年からレギュラーを務めてきた選手の数人を欠く米子北は、埼玉の強豪・西武台高相手になかなか思うようなゲーム展開に持ち込めない。
「去年は3年生が声を出してくれていたんですけど、そういう人たちがいなくなって、自分が声を出すしかないなと思っていたんですけど、相手のレベルも高くて、自分のことで精一杯になってしまって、なかなか声を出せていない状況でしたね」。中盤の中央に入った柴野も懸命にハードワークは続けるものの、チームの歯車を円滑に回すまでには至らず、相手に2点を先行されてしまう。
試合終盤。米子北にようやく得点機が訪れる。ペナルティエリアで柴野が倒されて獲得したPK。キッカーはファウルを受けた張本人が務めると、右足で蹴り込んだ渾身の一撃は、しかしクロスバーに跳ね返る。「いつも決めているコースなんですけど、思い切り蹴ったらクロスバーに当たってしまいました……」。
ファイナルスコアは0-2。チームを率いる中村真吾監督も「腹をくくるというか、『やってやるんだ』という強い想いを持って戦えば、もうちょっと良い結果が出るんじゃないかなと思うんですけどね」とやや渋い顔。それでも個人としても、チームとしても、しっかりと課題を抽出できた貴重な2日間だったことは間違いない。
柴野にとってはこの遠征にどうしても“頑張りたい理由”があった。彼がプレーしていた3種のチームは前橋FCジュニアユース。この日の会場だった前橋育英高校高崎グラウンドは、中学時代の3年間を過ごした“思い出の練習場”だったからだ。
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