埼スタ初先発で逆転2発の起点となった浦和DF佐藤瑶大「“歌え浦和を愛するなら”を聞いてやってやろうと…」
ゲキサカ / 2024年3月30日 23時7分
[3.30 J1第5節 浦和 2-1 福岡 埼玉]
1点ビハインドからの逆転勝利を最終ラインから演出した。G大阪から今季、浦和レッズに完全移籍で加入したDF佐藤瑶大が右CBからの縦パスで魅せた。
まずは後半20分、DFマリウス・ホイブラーテンの横パスを受けた佐藤は、右の高い位置を取っていたDF酒井宏樹にコースも速度も完璧な斜めパスを供給。楽々と足元に収めた酒井がこれまた完璧なクロスをファーサイドに送り、MF渡邊凌磨が決めた。
1-1に追いついて攻勢に拍車がかかると後半24分、またしても佐藤が巧みなワンタッチから左インサイドハーフの岩尾憲へ球足の長い縦パスを供給。岩尾のサイドチェンジを受けたFW前田直輝のシュートが相手のハンドを誘い、獲得したPKをFWチアゴ・サンタナが決めて2-1とした。
「相手の陣形がしっかり整っていなかった。瞬間にパッと見えたのは良かったし、しっかりと強いパスを入れられて良かった」。佐藤の笑顔が弾けた。
東京都出身の佐藤だが、浦和サポーターである父に連れられてスタジアムに通ううちに自身も浦和ファンになった。移籍が決まって心が沸き立つのは自然なことだった。3月3日に埼玉スタジアムで行われた第2節東京V戦は出番がなかったが、第3節札幌戦でDFアレクサンダー・ショルツが負傷したことで出場機会をつかみ、この日の福岡戦は2試合連続先発。埼スタでの自身初先発だった。
「過去イチの緊張で、プロデビュー戦よりも緊張した。攻めている時の浦和レッズのサポーターの声援は疲れを吹っ飛ばしてくれる。グッともう一つギアを上げられる要素だと思う」
そう言いながら目を輝かせると、かつて自身もスタンドの一員だったことを思い出すように「あとはあの地鳴りみたいな、後半がはじまる前の歌。『歌え、浦和を愛するなら』。やってやろうという気持ちになるし、会場が揺れる感じなんですよ。スタジアムごと波が立っているような見え方になるんです」とうれしそうに笑みを浮かべた。
試合終了後はピッチで一列に並び、スタンドのファン・サポーターとともに「We are Diamonds」を歌った。
「やっとでしたが、歌えた。音程は分かっているけど、最初のところしか歌詞が分からなくて、最初と『ラララ・・・』のところは一生懸命歌った。やっぱりカッコいい。あの応援の中でプレーできたことが、うれしかった」。昨季J1最少失点の浦和DF陣に新たな力が誕生した。
(取材・文 矢内由美子)
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